残機99から始まるダンジョンライフ~残機を活かしてすべてを攻略する

ニア・アルミナート

第1話 探索者になったぞ!

 ふっふっふ…………ついに、ついに俺は探索者になったぞ!


 俺が小学校を卒業する年の頃。この世界にダンジョンと呼ばれる存在が出現した。遺跡のような迷宮や巨大な洞窟など、ダンジョンの中は様々な地形になっていて、そこには魔物と呼ばれる化け物や、さまざまな効果を持った道具が入っている箱……いわゆる宝箱が存在していた。


 魔物を倒し、宝箱から夢の道具を持ち帰るのが探索者の仕事だ。俺も今や高校生。満16歳になってようやく俺は探索者となった。ま、ある程度の体力試験を終えたらすぐになれるものではあるんだけどな。


 今の俺はEランク探索者。最低難易度のダンジョンにしか入れないが、それも仕方ないな。いきなり難易度の高いところに行こうものなら死ぬからな。


 ダンジョンに一度入ると人はステータスとスキルを獲得する。魔物を倒せばステータスが上昇し、より強い相手に挑めるようになるってわけだな。


 まぁ難しいことはよくわかんねぇけど。


 さて、今俺は探索者になった記念に近所にあったEクラスダンジョンに来てる。


 ゴブリンしか出ない場所らしいが……初めてのダンジョンにはぴったりだよな。


 さて、始めての戦闘に入る前にステータスでも確認してみるか。


「ステータスオープン」


 俺の目の前にウィンドウが表示される。VRゲームやってるみたいな気分だぜ。んーっと、俺のステータスは……。


◇◇◇

名前 藤井 海斗

魔力強度 81

スキル 【L:99】

◇◇◇


 おっ!? 魔力強度めっちゃ高い! これは勝ったな。魔力強度はそれすなわちステータスだ。魔力強度は初めてダンジョンに入る人の平均だと10くらいになる。俺は平均の8倍ってことだな。


 ところで、スキルだよな。スキルは初めての時以外でも手に入る方法があるとは言え……最初が使用法も名前から予測できないスキルとは……まいったな。


 ま、とりあえずフィジカルでなんとかすればいっか! 俺強度高めだし!


 ってことでゴブリンに挑んでみたい。


 歩き始めるとすぐに見つけた。緑色の肌と100cmくらいの低い身長。ザ・ゴブリンって感じだな。


 ゴブリンはすぐにこちらに気が付いて襲いかかってきたが、軽く蹴ってみると一撃で吹き飛んでいった。ふっ雑魚か。


 うん、まぁこんなもんだな。ゴブリンはステータスに直すと5くらいだし。


 じゃあ狩るか。ステータス上げのために。


 しばらくゴブリンを狩り続け、50匹ぐらい狩った後。曲がり角を曲がった先にでかい扉があった。さっきもここを通ったはずだが、こんな扉あったかな。


 とりあえずまずステータス確認しよう。


◇◇◇

名前 藤井 海斗

魔力強度 182

スキル 【L:99(0.50)】

◇◇◇


 なんかスキルが変化してる? てっかそんなことは良くて。魔力強度すごい上がったな。Dランクの基準500程度にはすぐ届きそうだ。


 俺、結構やれるのでは?


 俺は目の前の扉を見る。入ってみるか。どうせレベルの低いダンジョンだ。ゴブリンが数匹出てくるだけだろう。


 ということでれっつごー。


 扉の中には青い灯が灯っていて、なんだかボス部屋のようだった。このダンジョンボスいないはずだけどな。


 少し進むと、俺の背後の扉が閉まる音がした。閉じ込められた感じ?


 そして、部屋の中央に青い光が集まっていく。


 光が晴れると、そこには身長180はあるガタイのいい緑の肌の男が立っていた。


 あれ、ホブゴブリンか? だとしたらそこそこ厳しいな。あいつは魔力強度500程度が攻略推奨だ。


 マジかー。俺、探索者初日で死ぬんか。


 まぁ、仕方ないな。最初から覚悟して探索者になったんだ。俺を引き取ってくれたおじさんとおばさんには申し訳ないが、たかがバカ1人が消えるだけ。


 ま、それでも俺には意地がある。やるだけやらせてもらうぜ。


「かかってこいよホブゴブリン! 俺が相手……」


 俺がやつを挑発したその瞬間、俺の腹部に奴の拳が直撃していた。腹が、熱い。内臓とか、全部逝ったな。ホブゴブリンは俺に背を向け、部屋の中央まで歩いていく。


 口から血があふれてくる。


 …………父さん、母さん。


 俺も……そっちに…………。


◆◆◆


 暗転していた視界に淡い光が差す。……これは天国、それとも地獄の光か?


 恐る恐る目を開けると、そこは石でできた回廊。


 俺がさっきまで挑んでいたゴブリンダンジョンと、よく似ていた。


 まいったな。人にとってのあの世はダンジョンだったのか?


 後ろを見れば、ダンジョンの出口のような階段がある。


 これを登ればあの世ってわけか? そう思って階段を登る。以外にも短い階段を登り終え、景色を見る。


 そこは見慣れた東京のビル群。


 腰に巻いたバッグからスマホを出し、現在時刻を確認してみる。


 10時23分。俺がゴブリンダンジョンに入ったのは10時15分。


 もしかしての話だが……時間が巻き戻ったのか?


「ステータスオープン」


◇◇◇

名前 藤井 海斗

魔力強度 182

スキル 【L:98(0.50)】

◇◇◇


 …………なるほどな。


◇◆◇◆◇


 カクヨムコン、始まりましたね! 当面は当作品を毎日更新していくつもりですので何卒よろしくお願いします!

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