第7話 初めての(地球での)配信は重いね…
体を押しつぶされるほどの重圧のあと、無事地球に転移したヨカは空を飛んでいた
「うん、成功だね」
『おー、たけー』
『ワイ高所恐怖症、死ぬ』
『良かったじゃねえかすぐ成仏できるぞ』
『止めてくれないかな?』
視聴者への配慮はどこへやら、ヨカは何百年ぶりに3年後の地球に来てた。
「改めて思うと矛盾の塊だなぁ…」
『ん?』
『矛盾の塊?』
『何何なんの話?』
「ん?何でもないよ?」
危ない危ない…とため息をつくヨカだったが、問題が発生した
「あ…問題が」
『!?!?』
『なになにどうしたの!?』
「…
『草www』
『しゃーねーよ』
『てか今どこいんの?これ』
『せめてわかりやすい場所に行ってもろて』
「あ、うんそうだね。
でもその前に…」
『???』
『???………!?!?』
『ヨカちゃんまさか!?』
「うん、海外を《日本以外》を半永久的にシャットアウトしたよ」
『ゑゑゑゑゑゑ!?』
『なんでなんで!?』
「もちろん、理由なしにそんなことはしないよ?」
ヨカが
さっきまでこの配信は全地球人が見ることができていた
それはどういうことか
そう、ヨカの誘拐の計画などを立てていた組織にも行動が筒抜けだったということだ
いくら誘拐されても大丈夫だとは言え、自分から誘拐される趣味をヨカは持っていないため、この方法をとらせてもらった
…決して、前世のときに海外にズタボロにされていく日本を思い出して憤った訳では無い
『なるほどなぁ』
『…あれ?』
『ヨカちゃんヨカちゃん、どうやってテロリストたちがヨカちゃんを狙ってるってわかったの?』
『確かに、彼奴等が表立って動いてたのはヨカちゃんが配信してない時だったよな?』
「ん?エリスが地球のネットに移ってたみたいなんだよね
それで、私にもその情報が提供されたってわけなんだよ」
『ゑ』
『それってつまり…』
「うん、
ごめんね?エリスも悪気があったわけじゃないんだよ」
『ええで』
『許す』
『悪気がないんやったらしゃーない』
『許されることではないです!こんなの人権を無視し―』
『こちら会員ナンバー3,捕獲完了』
『よし、好きにしろ』
『サー』
『終わったなあのコメ主…』
「ちょっと待ってください今のなんですか!?」
と受け入れてくれる声で笑顔になり、批判コメで半泣き、事務報告コメでは驚愕の表情になったヨカは視聴者に問い質す
『何って言われても…なぁ?』
『ただヨカちゃん親衛隊としか』
「何ですかそれ!?」
『ヨカちゃんにいかがわしいコメントやアンチコメントを送るやつを排除する集団』
『ヨカのファン』
と優しい視聴者は教えてくれたが軽く恐怖を覚えるヨカだった。
「さて、着きましたね」
『うん』
『着いたね』
『東京タワーのてっぺんに』
『…いやいやいや』
『なぁんでてっぺんの鉄柱に乗ってるんですかねぇ?』
「ここにワープポイントを設置するからね、地上だとワープポイントに転移した瞬間攫われるってことになりそうな予感がしたし」
『それでも普通ここには置かないのよ…』
『景色はいいけどな!』
「うん、それじゃあエリス、スリープモードに移行していいよ」
【はい、おか…マスター】
『今なんて?』
『このAIお母さんって言おうとしたのかね?』
『そういや俺気になったことがあるんだけどさ』
『おん、どした?』
『ヨカちゃんはなんで地球に来たの?』
「ん?」
『いやな、繋がるだけじゃなくて実際に来てくれるのは嬉しいんだが、なんでだろって思ってよ』
「…あー」
ヨカは視聴者に隠し事をしている
そのうちの1つが『自身の前世について』
言っても信じてくれないだろうと思ってるため、言ってないのだ。
「えーっとね、私の師匠?が元々こっちの人だったんだけど」
『ちょっと待ってちょっと待って』
『いきなり過ぎだろ!』
「とりあえず話聞いてね?」
『アッハイ』
「それで、師匠の家族に伝言を伝えたいなーって」
『優しい』
『優しいなぁ』
「だから、師匠の家族に会いたいの」
『よしゃまかせろ』
『んで、お師匠の名前は?』
『教えて教えて』
とコメントに急かされ、ヨカはかつての名を言った。
「
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