第4話 上層部の考え
さて、ヨカが配信を切ったあと、地球ではちょっとした混乱が起こっていた。
無理もない
今まで全くなかった別次元からの接触
摩訶不思議な現象
そしてトドメは配信会社からの発表だった
どうやら本社はあの配信を消そうとしたらしいが、ことごとく失敗
消すどころかサイトにたどり着くことすらできなかったとか
この発表を聞き、ようやく人類は理解した
そこからの反応は千差万別だった
歓迎する者、利用しようと企む者、正面から戦うために準備する者、怯える者、絶望する者
細かく分けるとこうだが、それを大きく分けると2つになった。
ヨカを拒絶したり、排除しようとする発展途上国や複雑な宗教系の思想が絡んだ国々。
ヨカを純粋に歓迎しようとしたり、利用しようと企む先進国の国々。
そして、先進国の中でも日本、アメリカ、イギリスの3カ国は頭を悩ましていた
いつもはそこまで仲が良くない―協定上の関係であった―3カ国が頭を悩ましている理由は至って単純
ヨカが最初にどの国に訪れるかで自分たちの仕事が決まるからである
「一体、どうしたらいいんでしょうかね」
と、リモート会議の画面に質問しているのは現在日本の
『私に聞かれても困る。異世界人の思想がどうなっているかなんてわからないからな』
と、先に答えた男性は
『ええ、そもそも私たちより貴方方日本人のほうが異世界人の思想について理解してると思ったんだけど…』
と、ため息混じりに呟いているのは
『『「…はぁ」』』
なぜこの3カ国が頑張って動かざるを得ないのかというと、原因はヨカにある
確かにヨカは地球に来るのに必要な期間は言った。
そう、
だが、
あらかじめ言っておけば、現場で準備が進められていたのだが、言ってないので準備もクソもない
これは、日本に帰るという目的が強すぎるあまりにヨカが産み出したポカである
「とりあえず、大抵の国が私達の
『…中、韓、露の3カ国が筆頭となって反発している15カ国程についてはどうしたらいいものかしらね』
『仕方ないさ…あの国は昔からそうだったのだから』
「…まあ、この会議が件の
『『それもそうね(だな)』』
『『「…はぁ」』』
このとき、この三人が思ったのは
(((こんな役職早く辞めたい…)))
だったとか
その頃、歓迎組筆頭の日本では
『ヨカちゃんまだ来てくれないのかな』
『楽しみだな!』
『異世界の食も気になるけど、食では負けないぞ!』
『頑張れよ―』
と、歓迎どころか政府が何も言ってないのに準備満タンなところもある始末だった。
一応、申し訳程度にアンチもいたが、2つの理由で数を減らしていた
1つはそもそも言っても効果がないから
もう1つは
『いいですか!?あの異世界人は為政者です!我々を騙して隷属化しようと―』
『こちら会員ナンバー56、目標の確保に成功』
『よくやった』
『次だ、行くぞ』
『サー』
と、なぜか『ヨカちゃん親衛隊』なるものが結成されていたのだ
会員にはなんと小学生から老人まで
合計百万人以上要るというから
そんな彼等の目的はただ1つ
『ヨカちゃんに快適に過ごして欲しい』
これだけだったりする
中にはヨカとの握手を狙っているものもいるが…
はっきり言おう
どう考えても狂人の集いだ。
一方その頃、中韓露が組織している国々では
「異世界人を殺せー!」
「異世界人は悪魔の使いだ!」
「搾り取れるだけ情報を搾り取って殺せ―!」
「異世界人に人権はない!」
と、言いたい放題であり、さらにはその活動をSNSに載せるものもいた。
そして世界的犯罪組織やテロリストたちは、ヨカを攫うためにネットでミーティングをし、計画を立てていた。
彼等は忘れていたことがある
ヨカの住む
故に、
ネットワークの
電子世界の海から地球のすべての情報を吸収し続けている存在に
そのものがヨカへの明らかな敵意を感じて何をするかも知らずに
ヨカが
それが後にとんでもないことを引き起こす事態になるということも知らずに
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます