理解することのループ
どうやら私は「アレルギー持ち」だから、動物が怖いわけではないようだ。それは動物好きの未来と深く話し込んでいく過程で、徐々に理解する事になる。
行き着いたのは「自分の予期せぬ行動をされるのが怖い」という答えだった。哺乳類だろうが爬虫類だろうが、鳥類だろうが昆虫類だろうが、もはや全ての生物が苦手な理由を、「アレルギー反応」のせいにして括っていた私だが、当の本人としても強引な気はしていた。アレルギー反応が出るのは一部の動物だけであるし、例えば昆虫に触ったとて痒くはならない。そういえば、ゆっくり動く爬虫類などに対しては「可愛い」と、思う事すらあった。
大人になった今、それについての式を改めて立て、じっくり考えてみる。恐らくだが、対する生物の行動パターンや思考が分かってさえいれば、我々人間は「安心」する事が出来るのかもしれない。そして理解出来ていなくとも、相手のスピードが速くなければ、こちらも落ち着いて対応ができる。だからゆっくり動く生物に対しては、恐怖心もあまり芽生えないのかもしれない。
これらに気付けた私は、翌日からの仕事面において、ワンステップもツーステップも前に進めた気がした。と同時に、未来に対しての印象も「ただの先輩」から「尊敬できる先輩」へと、ステップアップしたのであった。
先ずは馬を知る事。次に自分を知ること。それを経て、また馬を知る事。そしてこれは恐らく人間関係においても、私が持つべき思考なのかもしれない。畑中未来は、それに気付くキッカケをくれた。
先ほどのステップアップについて語弊がある。彼の存在は尊敬できる先輩に留まらず、もう一つ上の領域に辿り着いた。恥ずかしながら、これが私の初恋であった。
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