12

 わたしはそっと梓沢くんから抜け出し、保健室を出る。



 あぁ、もう、び、びっくりしたぁ。


 夢でも見てて縫いぐるみとかと間違えられたのかな?


 わたし、小さいから…。


 

 教室に入ると、誰もいなかった。



 扉鍵かかってなくて良かった…。


 早く家に帰…。



『フツーツサンド美味しい』


 わたしは昨日の梓沢くんの言葉を思い出す。



 …あ、今日、梓沢くんいないんだ。


 いつも通り公園でぼっち呟きして、一人の家に帰るんだ。


 そう思ったら、なんか、帰りたくない。


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