13

 わたしは教室のカーテンの中に入って隠れたまま窓から外を見る。



 あ、校庭でサッカー部が練習してる。


 みんながキラキラして見える。



「いいなぁ」



 涙が零れ落ちていく。



「何が?」



 後ろから声が聞こえて振り返る。


 カーテン越しに見える梓沢くんの顔。



「あ、梓沢く…」


「なんで泣いてるの?」


「泣いてな…」


「声で分かる」



「わ、分かるならもう放っておいて」



 こんな顔、梓沢くんに見られたくない。



「嫌だ」



 そう言って梓沢くんはカーテンごとわたしを前から抱き締める。


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