第60話 一人で魔族の巣を討伐
神殿公認の精霊使いの認可を貰ってマークウェルは、意気揚々と西域に戻って、冒険者ギルドの仕事斡旋の受付のお姉さんに、神殿公認だぞ~ と貰ったバッジを見せびらかせていた。
お姉さんも、
「すごいですわ~ マークウェルさん~」
と、ノリ良く手を叩いて喜んでくれた。
「んで? 神殿公認の精霊使いの俺様に、相応しい仕事ある? 魔族退治とか?」
「そうですね~ ティエリ山脈の奥深くに、アルゲイ族の巣があることが分かりました。今、討伐のためにパーティーを募っているところです」
「あ~いらね、いらねぇわぁ~ 俺が一人で行って来らぁ!」
「でも、魔族の巣ですよ、今までの様な数匹単位の、通り道じゃあありませんわ。危険です」
受け付けのお姉さんは、心配してマークウェルに言った。
マークウェルは、神殿で貰ったばかりのバッジを受け付けのお姉さんに渡して、
「エマ、これはお前に預けて行く。魔族退治が終わったら、取りに来るから持っててくれ」
「まぁ……」
マークウェルは、受付のお姉さんの一人にも手を出していた。
金髪碧眼、巻き毛の受付嬢は、冒険者の中で憧れの美人さんだった。
みんな、抜け駆けなどせぬように、遠巻きに見ていただけだったのに。
ある朝、ギルドのプライベート用の階段から二人で降りて来るのをたくさんの人が目撃して、二人の関係が世間に知れることになったのだ。
♦
風の大将に飛ばせてもらって、アルゲイ族の好む血の匂いのする粉を散らしながら、ティエリ山脈に入って行った。
火と大地の女王、レディ・アンジールの山よりももっと、東方で大山脈に近い。
確かにレディの山が噴火した時に、アルゲイ族がたくさん来ていた。
血の匂いに誘われたアルゲイ族を1匹捕獲した。
アルゲイ族の魔族は、武器である爪を取り上げられ、言う事を聞くしかなかった。
弱点の首によく切れる、刀で脅してくるのだ。
巣が見えた時に、魔族は仲間にこの事を知らせようとして、マークウェルの手を噛んだ。本来なら血を
人間の仲間も来るかもしれなかった。
アルゲイ族は、巣を目指してマークウェルのもとを飛び立った。
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