スターマイン

プロローグ

とある街の片隅に、とても仲の良い夫婦がいました。

その２人はどちらも孤児で、男の子は生まれた時から、３つ年下の女の子は２歳の時に施設に引き取られ、男の子は女の子は助けながら仲良く暮らしていました。

女の子が5歳の時、通っていた保育園の一人の男の子から「親無し子」「施設育ち」といじめられるようになりました。すると男の子は小学校を抜け出して保育園に行き、いじめる男の子から女の子を守りました。

それからも小さな2人は、困った時は助け合うようにして、施設で生活を続けました。

男の子は高校を卒業すると施設を出て、建築会社に就職して住み込みで働き始めました。そして女の子は高校を卒業すると、小さな会社に就職して一人暮らしを始めると、2人は恋人同士となりました。

どちらも綺麗な顔をしていたため、言い寄ってくる人はそれなりにいたのですが、２人はその人達には目もくれず一途な愛を貫き、2年後に結婚をして家族となり、その1年後に男の子を、その3年後には女の子を授かり、4人家族となりました。

夫婦は子供たちに、どんな時でも希望を持って生きて欲しいという願いを込めて、長男には昴、長女には綺羅、という名前を贈りました。

そして家族4人の幸せな生活は、10年で終わりました。