第13話
だが、その約束は明日と言わず、その次も、そのまた次の日も交わされていく。
奴は約束通り毎日社へとやって来ては、遊びと称して俺を振り回して行った。
毎日毎日、俺は奴の我が儘に付き合わされて――
今日は川で水遊び。
今日は神社で鬼ごっこ。
今日は山で昆虫採集。
たとえ雨が降ろうとも"トランプ"とか言うらしい人間の遊び道具を持参して、社に入り浸る。
師匠は師匠で奴と意気投合して楽しんでやがるし。
良く言えば好奇心旺盛。悪く言えば自由奔放な二人を、俺一人で手におえるわけもなく、日々生気を吸い取られているかのように、俺はこの数日で一気に
老け込んだ気がする。
いつかこの繰り返される日々から、逃げる道はないのかと模索しているのだが、奴が帰り際に必ず行う約束の儀式、あの儀式がやっかいだ。
針千本なんて、死んでも飲みたくない。
なんとかしてこの呪縛を断ち切る術を探さなくては。そんな葛藤の日々が暫く続いた。
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