第3話

「こんどは、リンちゃんとる!」




楽しそうに真依が言うと、背後のテーブル席でパソコンをいじっている凜人りんとの所へと走って行った。


_瞬間、カメラを持った手を下にして走る真依にカメラが落ちるかと思って俺は焦った。



こ、怖ぇ…!


マジで落すかと思った。



手首にハンドストラップを通しているとはいえ、子供にはビデオカメラは重い。


今のところ真依は気にしてないが、長時間持つには厳しいかもしれない。




「リンちゃん!」



「なーに、真依ちゃん。」




真依に呼ばれた凜人は、パソコンから目を離して笑顔を向ける。



このヤロウ、また王子様スマイル浮かべやがって…


真依を誘惑すんなって、何度言ったら分かんだよ。

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