第6話 自分だけが知らなかった英語

 英語を学ぶ日本人諸君!

 second という動詞を知っているだろうか?

「2番目の」という形容詞ではない。


 会議などで "I second it." という形で使われる。

「動議(motion)を支持する」という意味だ。


 何故そんな話を持ち出すのか?

 こんな事を目の当たりにしたからだ。

 とある国際学会の総会で、誰かが動議を出した時に他の誰かが "I second it." と言い、その後にその動議に対する議論が行われたわけ。


 自分以外の全員が知っていて、当然の如く事が運ばれるというのは恐怖でしかない。

 正確に言えば、その総会の日本人出席者は誰も second という動詞を知らず、日本人以外の出席者、ノルウェーとかオーストラリアとかブラジルとかの出身者は全員が知っていたわけだ。


 会議のやり方の世界標準として、思いつきで動議を出すことのないように、2人以上の支持者がいる動議についてのみ議論が行われることになっているのだそうだ。

 当然ながら動議を出す人間は支持者なので、もう1人支持者がいれば議論の俎上に乗せられる。

 もう1人の支持者はボクシングのセコンドと考えれば理解しやすい。


 ということで一連のやり取り例を2つあげておく。


(動議が採択される場合の流れ:司会者→出席者→司会者)

"Can someone second this?"

"Second that."

"We have a second, so the motion is approved."


(動議が採択されない場合の流れ:司会者)

"Since no one seconded the motion, it will not move forward."


 世界では誰もが知っているルールなので憶えておこうぜ!



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