医学勉強ノート

hekisei

第1話 高尿酸血症の診療

 先日の事。

 風俗に入り浸っている青年に言われた。


「先生だって風俗に行くことがあるでしょう」

「あるわけないじゃん、そんなもの」

「ただの1度も?」

「オレ、結婚した時に妻に呪いをかけられてさ。妻以外の女が皆、カボチャかジャガイモにしか見えなくなっちまったんだよね」

「それも辛いですねえ」


 ギャグですよ、ギャグ。

 本気にしないで!


 さて、高尿酸血症の話。


【現状】

・高尿酸血症はかなり多く、反射的にフェブリクが投与されている。

 そして正常化すれば「良し」、しなければ「仕方ないね」としていた。

・必要なのは、高尿酸血症の治療目的、治療開始数値、治療の目標値、治療方法の4つをはっきりさせることである


【結論】

・治療目的:腎機能の悪化予防、改善

・治療開始数値:7mg/dL以上

・治療目標値:理想的には4台。少なくとも7未満

・治療方法:ユリス、時にフェブリク併用


【内容】

・高尿酸血症には4つのタイプがある

 多い順に排泄低下型、混合型、産生過剰型、腎外排泄低下型

  混合型は排泄低下型+産生過剰型のこと

 尿酸は腎臓から3分の2、腸管から3分の1排泄される

  腸管は腎臓1個分の排泄能力がある

・病型に応じた薬剤の選択が必要

  排泄低下型(以下、低下型)にはユリス

  産生過剰型(以下、過剰型)にはフェブリク

・病型分類は簡易式か尿酸クリアランスが簡便

  簡易式:尿中尿酸濃度/尿中クレアチニン濃度で、0.5以下が低下型

  クリアランス:(尿UAx血清Cre)/(血清UAx尿Cre)で、5.5以下が低下型

・高尿酸血症の治療目的は腎機能の悪化予防・改善

  動脈硬化リスクの有無は不明

   高血圧、高脂血症、糖尿病の順に動脈硬化リスクがある

・ユリスは1mgで始める事が多い。標準は2mg

  開始前の平均は8mg/dLとすると、半年で6未満になる

・簡易式とクリアランスの不一致もある

・ユリスは腎機能改善に寄与する

  SGLT2阻害薬がCKDにも効くのと似ている

   ユリスもSGLT2阻害薬も近位尿細管に作用する

   近位尿細管の働かせすぎで腎機能低下が起こっているのかも

・ユリスは尿酸結石形成が懸念される、とされる

  尿酸排泄量800mg以上で結石が出来る

   実際には800mgには中々達しない

   達する場合は水分摂取、尿アルカリ化薬、利尿薬中止で対処

・尿酸値と腎機能はお互いに関係する

  尿酸値と高血圧もお互いに関係する

・中にはユリスの効かない人や、逆に尿酸値の上がる人がいる

  そういう時にはフェブリクとの併用を考える

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