第2章⑤:ユージーンの洞察

 夜も更けた頃、チームNexusの作戦室にメンバーが集まっていた。

 ロイは窓際に立ってグラスを傾け、外の夜景を眺めている。

 ニコラスはソファに座り、武器の手入れに没頭していた。

 そしてユージーンは今夜の出来事を振り返っていた。


 「今回の作戦も成功だった」

 ユージーンが口火を切る。

 ロイは振り向かずに答えた。

 「ああ。予定通りだ」

 ニコラスは黙々と作業を続けながら、小さく頷いた。


 ユージーンは少し笑みを浮かべ「ところで…あの奇妙なお客さん達のことは、どう思う?」と尋ねた。


 ロイは眉をひそめた。

 「素人だな、邪魔なだけだ。あんな連中が面白半分で首を突っ込んでもらっちゃ困る」

 ニコラスも作業の手を止めた。

 「危険だ。自分たちの身さえ守れない」


 ユージーンは二人の反応を見て、さらに微笑んだ。

 「そう。僕は少し違う印象を持ったけど」


 ロイはユージーンの方を向いた。

 「どういう意味だ?」


 ユージーンはゆっくりとグラスを置いた。

 「彼らには可能性を感じるね。無謀だが、若さゆえの向こうみずな勇気と度胸。リーダー格の青年は、ある程度の修羅場を潜った経験がある、と僕は見たけれども」


 ロイは一蹴した。

 「素人は素人だ。大人しく安全な場所にいろ」


 ユージーンは頷きながら続けた。

 「その通り。しかし適切な指導さえあれば、彼らは大きく成長する可能性がある」


 ニコラスは咎めるようにユージーンを見やったが、ユージーンは優雅に立ち上がった。


 「私は彼らに接触してみようと思うが、どうだろう?」


 ロイは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに冷静さを取り戻した。

 「好きにしろ。ただし俺たちの邪魔にならないようにしてくれ」


 ユージーンは「もちろん、チームの活動に支障をきたすような真似はしないさ」と優雅に一礼した。

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