序章⑤:エニグマの計画

一方、魔術師教会エニグマは密かに動いていた。彼らは大災害の日に捕獲したクララの魂を特殊な魔法によって保存し、15年の歳月をかけて彼女を新たなセレスティアとして転生させる計画を進めていた。


その目的は、ABYSSが再び現れた時に備え、対抗するための人間兵器を生み出すことだった。


エニグマの幹部魔術師たちはこの計画を極秘裏に進め、外部には一切情報を漏らさなかった。しかし、教会に所属する実力者の魔術師、シルヴェスターが計画を察知する。


シルヴェスターはまだ若かった見習い時代に、クララが命を捧げて世界を救う姿を目の当たりにしていた。そして自らもクララに命を救われていた。


消えゆくクララは「命を繋いで、未来を見届けて」とシルヴェスターに言い残した。この言葉がシルヴェスターの魂に、生きる意味と戦う覚悟を刻みつけた。


クララの魂を利用した非道な計画が進行していることを確信したシルヴェスターは、エニグマの計画を阻止する決意を固めた。

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