第40話 力がバレた瞬間 ②

 陽太は左腕でドラ焼きが入った紙袋を持ち、体を防御の構えにして、向かってくる強盗犯のナイフをしっかりと見据えていた。


 その瞬間、強盗犯の動きはまるでスローモーションのように遅くなり、カタツムリのように緩慢に感じられた。


――ナイフの動きがはっきり見える……と陽太は心で思った。


彼は力を入れでない右手でナイフの刃を握り、強盗犯の力を完全に受け止めた。


「ぬ、抜けない!このガキは一体何者だ!?」と強盗犯は驚愕しながら叫べたが、ナイフは陽太の手にしっかりと掴められて動かなかった。


 陽太は強盗犯の行動に腹を立て、眉をひそめる告げる。


「犯罪の真似をやめでください!」


彼が握るナイフの温度は急速に上昇し、4,000度を超え、彼の手は高温で燃える鋼鉄のように輝いている。


 鋼のサバイバルナイフの刃はその高温に耐えられず溶け始め、すぐにその機能を失い、熱鉄がどろどろ地面に滴り落ちている。


 強盗犯は目の前の現象が理解できず、目を見開いて驚愕した。

「う、嘘だろう…ダマスカス鋼で作ったナイフが……」


 自分の手でナイフを溶かさせたのを見て陽太はびっくりして、手を離れた。


 その瞬間、強盗犯の反応や意識が鈍くなり、強い水流を衝撃されてにより、5メートル離れたブロック塀に激突した。


 ドン!っと壁が崩れ、ショックを受けた強盗犯はまた溶けたナイフに疑問を思っているそうな面で失神し、微動するだにしていなかった。


 陽太は追い討ちをかけるようにその男を振り返り、片手でピストルのようなジェスチャーを構えた彼は自分の技で確実に強盗犯を倒したことに満足げに笑う。


 その事件に怯えた女子大生は力を失い、ぺったりと地面に座り込んた。


「俺のアクアショットが効いたぜ!」と男自慢そうに笑って言った。


彼はバッグを拾い、女子大生のもとへ行き、彼女の様子を気遣いながら尋ねる。


「綺麗なお姉さん、大丈夫ですか?」


女子大生は上を見て軽く頷きした。


男は足を広げて座り、チンピラ座りの仕草になって、できるだけ彼女と目線を合わせながら、颯爽とした笑みを浮かべてバッグを手渡そうとした。


「大変なことに遭いましたね?このバッグはお姉さんのものですよね?」


女性はわずかに柔らかくなった表情で、「はい」と答えた。


「中のものが壊れたり、何か失われたものはありませんか?」と彼は続けた。


 女性はバッグの中を確認し、中に入れたMPディバイスのライトをつけて機能をチェックしました。画面が無事で他のものも失われていないことを確認し、女子大生はほっと一息つきした。


「助けてくださってありがとうございます。あの……その人は大丈夫ですか?」と彼女は尋ねた。


「いや、私は確実に手加減しましたし、セフティスーツも着ていますから、ただショックを受けただけでしょう」と男は答えました。


男はこの種の事件に慣れた様子で、手馴れた対応で女性の気持ちをケアし。その女性は再び強盗犯を見て、まだ動かないことを確認した。


「本当ですか?」と女性は再度尋ねた。


陽太の目で失神した強盗犯は心臓がまた血を送るように動いて、エネルギーを流れているのをよく見えた。


「はい、大丈夫だと思います。彼の心臓がまた動いています」


「説明してくれて、ありがとうな」


男は感謝の言葉を述べた。



男は両手を合わせ、お願いするように、頭を下げて女子大生に頼む。


「今回の件で警察に協力してもらえませんか?道路や民家の壁が破損したのは不可抗力ですので、証人としての説明をお願いできると助かりますね。」


男は笑い芸人のような滑稽な振る舞いに、「ふふ」と女子大生は軽く笑い、

「もちろんです。助けられた恩人ですから」とすぐに協力を認めた。


陽太は事態が収束したと感じて、そっと現場から離れようとしたとき、突然男に声をかけられた。


「おい、お前も異能者だろう?」


男に呼び止められた陽太は、急に動きを止め、男を向き直った。その間、女子大生も様子をうかがうように、陽太の顔をのぞき込んでいる。


「やっぱり俺の感覚が間違ってない。あのさ、俺、水気の感覚が鋭いんだ。さっきそのドラ焼き屋の近くを通ったとき、あそこの湿度が異常に低かったぜ。それ、お前の仕業か?」


陽太はその言葉を聞いて鳥肌が立った。目の前の男は偶然通りかかったわけではなく、何か目的を持って彼を追っていたので。彼は何かを言おうとしましたが、


「お前、さっきのナイフを受け止めたときの動き、普通じゃないよな。あれは俺にも見えなかった。」


「いや、それはただの反射動作です。今の時代、少し訓練すれば誰でもできることではないですか?」


陽太は必死に普通の反応だと説明するが、その男は地面に落ちていたバトルナイフを見ながら話を続ける。


「でもさ、そのナイフの刃を一瞬で溶かしたのは、何千度の熱がないと不可能な技だぜ。お前、相当な力を持っているじゃないか。」


陽太は黙って、何も言えない。


「お前のグラムの値は低い。つまり、源使いの奴らとは違って、お前は俺と同じ『超人系』だな。」


男は両手で陽太の肩に手を置きながら、嬉しそうに言いた。


「俺は井口瀧生いくちたきお天城あまぎ学園2年D組だ。お前は陵星りょうせい高の生徒だよな?名前は何だったっけ?」


「ごめん、知らない人に名を乗るつもりありません。」


「なんだ、警戒しているか?俺は悪いやつじゃないぜ」


 瀧生は自己紹介しながら、彼がこれまで解決した警察やUCBDクーリーバ隊の案件について説明しました。彼はデバイスを取り出して、その功績が映った映像を見せました。それは3年前のニュースで、犯人を捕まえたり、クマ並み大きなシャドマイラを倒せたり、警察署から感謝状を受け取っている写真も含まれている。


その映像を見た女子大生は、安心した様子で瀧生に感謝の眼差しを向けた。


「そうなんですか……」と陽太は少し驚きながら応じた。


「それなら、なぜ僕を追っているんですか?僕は何も悪いことをしていません……」 


瀧生たきおは陽太の真剣な表情を見て首を傾げながら、やや戯れた口調で言いう。


「お前は本当に疑心暗鬼だな。」

彼はジャケットの襟に付いた金属製のパッチをはっきりと見せてながら言い続ける。

「別に俺がお前を尾行しているわけではない。俺は天城のジャスティスキーパーとしてここをパトロールしているんだ。ただ、下校中の生徒の安全を見守っているだけさ。」


陽太は誤解していたことを悟り、申し訳なさそうに頭を下げて謝る。


「僕の勘違いでした。すみません。僕の名は……」


瀧生は気軽いに笑い、手を上げて陽太の言葉を止める。


「まあ、いいさ。人を強迫するのは俺のやり方ではないからね。」


彼は陽太を見て言う。


「名前は分からないが、。」


陽太はその言葉に嬉しさと恥ずかしさが入り混じった複雑な気持ちになる。


「僕はそう思われたんですか?」


「ああ、そのイメージがピッタリ合う。さて、もうここにいる必要はないから、行ってもいいぜ」


「え?」と陽太が戸惑うと、瀧生はさらに付け加えた。


「人目を引くのが嫌だろう?」


陽太は自分の気持ちを見透かされたかのように感じ、首を頷く。


「はい」


「この事件に関しては、警察への説明は俺が引き受けるから心配するな。何か用があれば、先に行ってくれ」と瀧生は提案しました。


「わかりました、それではよろしくお願いします」



瀧生はふと思いついたかのように真剣な口調で言いました。


「そうだ、通り合わせる縁だけど、お前の力は本当に珍しくて強いんだ。異能者の先輩として言わせてもらうぜ、その力を隠していても無駄だ、いつかは必ずばれるから。この社会で悪い人間と定義される前に、その力を早めに使って、人類を助ける方が良いぜ。さもないと、あいつのように本当の化け物扱いされるかもしれないからだ」


 「ご忠告ありがとうございます。気を付けています」と陽太は礼を言い、現場を後にしました。


 事件に巻き込まれ、異能者と遭遇し、自分の能力が明らかになったことで不安を感じていた陽太は、瀧生の言葉を反芻しながら歩き始めました。そのとき、彼のMPディバイスが鳴った。


 画面に表示されたのは瑶妤たまよ姉の名前でした。陽太はすぐに通話を受け、デバイスを耳に当てる。


「こんばんは、陽太くん。今日はどうだった?」


陽太は手で口を押さえながら、心苦しそうに言葉を吐く。


「ごめんなさい、瑶妤姉さん、先ほど、僕の異能者としての正体がばれてしまいました。」


「えっ?!」と瑶妤は驚いた声を上げした。


数秒後、彼女は冷静にした声で尋ねる。


「落ち着いて、一から何があったのか話してみて」


「それは……」

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