きっかけ.

第1話

琉咲りゅうさきこころ、16歲。




パパはお医者さん、ママは専業主婦の家庭に生まれ育った私は自由気ままな女子高生。





最近、気になる人が出来たんだけど―…、


相手がどこの誰だかわかんない。


こんな人いつも居たかなってくらい急に現れた気がする。




パパとママに相談したら、きっかけは何だっていいんだよってアドバイス貰った。第一印象が大事だよって。




それでさっそくきっかけを作るべく、学校サボってその時を待ってた。





夕方。



パパはまだ仕事、弟の海里かいりは学校。


ママは買い物に出かけた。




「よし、万次郎行くぞ。お前も来いっ。」




私は制服に着替えて、数日前にママが拾って来た琉咲家の愛犬、万次郎まんじろうを連れてバス停へ向かった。




気になる男の子のカバンに犬のキーホルダー付いてたし、犬好きだったらいいな…。







そんな淡い期待を抱いて―…。

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