久しぶりのデート.
第1話
「俺たち"元サヤ"って事で良いよね。」
「え、そうなの…?」
「あの時から両想いだったからね。」
「は、恥ずかしいよ…。」
緊張のあまり、この教室に二人きりだという感覚に陥っていたけれどここは三年生の教室で、ばっちり昼休み中─…。
思わぬ公開告白をしてしまって、私は顔から火が出そうだった…。
優しく握られた手はそのままに、机に座る海人くんは少し見上げながら優しく微笑んで…
「─…きらり。」
「──…っ、!」
優しく名前を呼んだかと思うと、私を引き寄せてそっとキスをした…。
10年振りのキスだった。
海人くんとのキスに、私は失神しそうな気がした。
ギャーーッ!!
悲鳴なのか絶叫なのか…教室中に響き渡った。
「きらり。」
「海人くん…っ、」
「髪、解きたい。」
いつもは何もしていない髪を今日は気合い入れて、軽く編み込んで来ているそれを海人くんは解きたいと言った。
「やっぱ、変、だよね…。」
「めちゃくちゃ可愛い。似合ってる。」
海人くんは独り言の様に続けた、
「他の人に見て欲しくないな。」
「……俺だけが見ていたい。」
「そんなの無理だって、わかってるけど。」
「廊下に居る野次馬とかにも見て欲しくない。」
「きらりの事をそういう目で─…、」
「っ、か海人くん…!わかったから、ほ、解くから。」
そう言って髪を手に伸ばした瞬間、それは海人くんによって止められた。
「えっ…?」
「見せたくないけど、やっぱり勿体ない。」
気持ちを伝えたばかりなのに、私はこれだけでとろけてしまいそうになる。
この先、大丈夫かな…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。