第7話
「はーい、では廊下側の席から順番に座ってくださいね」
校舎内を案内され教室に辿り着けば、前方からは私たちのクラス担任の女性教師の声。
それを合図に、先頭から自分の席を探して着席していく。
「やった、後ろだ!ラッキーだね」
自分の席を見つけ、幼い子供のように無邪気な笑顔を見せるあい子に、また少し緊張が解れた私は笑みとともにこくり、と小さく頷く。
私が一番後ろの席で、あい子がその前。
同じクラスになれば出席番号はいつも隣。
それが私たちにとって当たり前だった。
そしてそのたびに、私たちは仲良くなっていったのだ。
「席に着いたら静かにしてくださいね!前を向いてくださーい」
担任の一声で、ざわざわと喧騒に包まれていた教室が一様に静かになる。
「あ、じゃあまたあとでね」
こそっと囁くあい子に、私は同意の意味を込めてまたひとつ頷いた。
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