魔法チートで異世界スローライフ 〜修行なしで魔法を使えるってよく考えたらチートだよな?〜
飴と無知@ハードオン
第1話 「そうあれかし」と望まれて
おーどうした爺さん?そんなところに蹲って?
は?嫁に家を追い出された?
ははははは!そりゃアンタが悪いよ!
え?何で理由も聞いてないのに爺さんが悪いと分かるのかーって?
バッカお前、その歳にもなって女の扱いエアプかぁ〜?
良いか爺さん、歳上に講釈垂れんのも気恥ずかしいがよ、女なんてもんはとりあえず「うんうん君が正しいよ」と適当にあやしてやりゃあ良いもんなんだよ!
いや分かってる!実際は大抵、男の方が正しい!アンタだってそうだったんだろ?
でもな、そこをグッと堪えて、さも申し訳なさそうなツラをして平謝りしときゃあいいんだよ!
そうして時間を置いた後に、また謝るんだよ。分かるか?
分かんねえか。
女ってのは感情的だからな、一度怒ると話が通じねえんだよ。赤ちゃんと一緒で快不快しかない。
そこで、その場はとりあえず謝って、嵐が通り過ぎるのを待ち……、冷静になったところでもう一度謝るんだ。
そう、ここがポイントでな……?
冷静な時にもう一度その問題を出して、「やっぱり僕が悪かったよ」と、こちら側が大人の態度を見せると、あっちはこう思う訳だ……。
……「ひょっとして、私ばかり要求を通してないかしら?」とな?
それも、ただ謝るんじゃねえぞ?
「ここで僕はこう思ったけど、君はこう思ったんだね。僕が間違っていたよ」と、それとなーく、自分の考えや欲求をチラ見せすんだよ!
そうするとな?やっぱり女も、自分が何でも相手に言うこと聞かせる赤ちゃん扱いだと自覚して恥じる!
そこでもう一度、それとなーく、良いかそれとなくだぞ?要求してみな?
案外通るもんさ。
とにかく、キレた女には甘い顔して平謝りしときゃあいいんだよ!
……それでも言うこと聞かなかったら?
離婚しろ。要求しかしてこない女なんてまともじゃない。
あ?
……追い出されたから、しばらく期間を置きたい?
うんうん、そうだな。それが良いな。
じゃあ爺さん、今晩は俺と一杯やらねえか?
今日は金が入ったからな、奢るぜ。
え?俺?
最近はベーリング海でカニとってたぜ。
体力さえあればクソほど稼げる、楽な仕事だよ。
毎年、この時期はカニ漁で稼いでんだ。
ほんの一ヶ月、船の上でプカプカ海に浮いてりゃ、一年遊んで暮らせるくらいに大儲けだぜ!
ま、金が足りねえなーって時は、突発的にマグロ漁とか、死体処理のバイトとかで食い繋いでるがよ。
キツイ仕事だって?
そうでもねえよ。
要領よくサボって、身体を上手く使えばどうとでもなる。
貯金もあるしで、老後の心配はねえなあ。
老後?
あー……。
まあ確かに、そろそろ俺もジジイだもんなあ。
色々考えなきゃならんわなあ。
つっても、基本的に今と変わらんだろうけどな。
こうしてその辺を渡り歩いて、飲み屋で呑んで、遊んで暮らすんだよ。
遊ぶのに飽きないかって?
そりゃ、遊ぶのがヘタクソな奴の見解だな。
遊びってのは一生かけて、万金をかけてやっても極められん、奥が深ぁいもんなのさ。
範囲も広いしな。
最近なんて俺は、3DCGの勉強してて……あ、分かるか?そうそう、コンピュータで作る動画みたいなのね。
アレで俺、配信者ってのやり始めてな。
ベーリング海での漁とか、マグロ漁とか、そう言うののブログみたいな感覚でやってんだけど、そこに適当に作った女の子のキャラクターを張り付けると何だか大受けしちゃって。
あとは適当に魚捌いてる動画とか、海外旅行の動画とかも受けるなー。
それ以外にも、模型だの絵だの、彫刻だのを習ったり売ったり、資格の勉強したりだとかも楽しいぞ〜?
世の中ってのは基本的に面白いもんなんだ。人生がつまらねえと思ってる奴ぁ、そいつの感性の方がつまらねぇのさ。
おっと、俺ばっかり喋っちまって申し訳ねえな。
爺さんは何やってんだ?
……はあ?神様?
はははっ、こりゃあいい!神様か!
じゃあここを奢ってやるから、俺になんか良いもんくれよ〜!女の子にモテる加護とかさぁ!……いや?既にモテてるんだけどな!ワハハハハ!!!
……あ?転生?
あー、最近流行ってるやつ?爺さんも若いねぇ〜!
転生かー。
するとしたらやっぱり、剣と魔法のファンタジー世界か?
おっとと、今はなんかチートってのが欲しいんだよな。
俺もそっちの方面はちょいと齧ってるんで知ってるぜ。
……え?チートは魔法しかあげられない?
何でだよ?
ネットスーパーとか、ゲームの能力でーとか、そう言うのは?俺、金ピカの鎧着て宝具バカスカ撃ちたいんだけど?
ははあ、アンタが魔法の神だから、ね。
確かにそうだな、魔法の神様なら、魔法の力しかやれねえわな。
でもよぉ、俺はおっさんだから、やっぱ昔のファンタジーのことを考えちまうな。
今時のファンタジーは、その辺のガキでもスゲー魔法をポンポン使う感じだろ〜?
昔のファンタジーではよお、ゲームでは魔法は九回しか使えねぇし、魔法使い自体が希少な設定だったりしたんだよ。
現代ファンタジーものでは、魔法使いがみだりに魔法を使うと、魔法の神秘が薄まるから禁じられてるーみたいなのもあったな。
一番有名な元祖ファンタジーでは、魔法使いはそう言う種族がいて、そいつらしか使えない神秘的なウンタラカンタラ〜みたいな感じで……。
……へえ?爺さんの世界もそうなのか。
魔法使いは希少でー……、才能が全て。
才能がなくても、うん十年単位で修行すれば、ちょっとだけ覚えられる。
……それアレじゃね?某ファンタジーオープンワールドゲームの。ドラゴンのシャウトの。
やっぱアレか、墓地にいるアンデッドも揺るぎなき力とか放ってくんの?
あ、関係ない?偶然の一致?
ま、まあ何にせよ、普通の人が十年単位で修行して、やっと一つ実用レベルにできる魔法を、生まれつき何でもポンポン使えるのは、確かにめっちゃチートだな!
そんなチートパワーがあるんなら、転生ってのもしてみても良いかもな!ははははは!
『よかろう、力をくれてやる』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます