第5話 謀攻篇①「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり~沢山モテても意味ないぜ!~」 ~海野しぃるの馴れ初めも添えて~

【初めに】


 今日はエッセイの感想紹介から始めます

https://x.com/kipplemaker/status/1863105241014747359

 めっちゃ嬉しいですね……おうみ先生とは古くからのカクヨムファイトの戦友。私の流す生き恥と血潮がその力となるのならばこれに勝るカクヨムファイターの誉れはありません。

 新作がでたら「浮かれポンチの私がモデルのキャラです!」ってめちゃくちゃこちらでも宣伝しますので……

https://www.kadokawa.co.jp/product/322408000246/

 その前に! 木古おうみ先生の新作を皆さんも買っておいてください! 『檻降り騙り』! 自分が変であることをこれでもかと思い知らされて社会がつかれた人とかに……おすすめです!


 さて、今回は孫子の兵法の中でも骨子と言うべき「戦うな」のパートに入ります。孫子は戦争に勝つ為の本ですが、その思想には一貫して「戦争はクソです」という視線が存在します。婚活がいかにろくでもないかを述べているのも、そんな孫子のスタンスに倣ってのもの。決して私が結婚相談所でひどい目に遭ったからではありません。そもそも結婚相談所に入る前から自業自得でひどい目には遭っています。

 地獄の札幌市オタク街コン、大学時代からの友人と行った相席居酒屋の凍りついた空気、果てはインターネットでは同じカクヨムファイターである友人たちに迷惑をかけ、「このミソジニスト!」と叱られ、「はい!!!!ごめんなさい!!!!!」と答えて爆笑された新社会人時代も昔のこと……まあ迷惑かけない為に名前は出しませんがそんなことが私にもあったのです。

 ねえこれ義母になる方に見られて大丈夫かな? 本当に大丈夫? 良いんだよ、今結婚した相手を幸せにする為の大事な経験だったんや……何もかも……。

 ともかく行きますよ! 結婚相談所で素敵なハニーを見つけるべく、攻めに転ずる謀攻篇! 申し込み、お見合いし、交際スタートにもっていくわよ!


【Today's 孫子ヒント「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり」】


 婚活は一人と成婚すれば勝ちです。

 百人から高評価を得るゲームではありません。

 なんなら成婚に高評価すら要らないこともあります。

 生活を共にしてもよさそうな信頼できる相手を見つけ、その相手から結婚してもいいと思われさえすれば良いのです。

 孫子はこう言っています。

「凡そ用兵の法は、国を全うするを上と為し、国を破るはこれに次ぐ」

 つまり「戦争をやるなら国が無傷のまま勝利するのが良いよね、戦って勝つようじゃ理想的とは言えないよ」って意味です。

 大事なことなので強く主張しましょう。婚活の最中にいくらモテても意味はないんです。どれだけお見合いを申し込まれても、どれだけ交際に進んでも、楽しく話せても、好かれても、結婚ができなくては意味がありません。

 私とて悲惨な失敗事例だけではなく、案外上手くいっている時も多い婚活人生だったのですが、上手くいっているだけではダメなのです。上手くなくていいから結婚しなくてはならない。これにもっと早く気付けばよかったのですが、気づくと今のフィアンセに出会えなかったので結果的にヨシ!とします。


 ガンガンお見合いしてばんばん成立させるのではなく、ガンガンお見合いしていくらか成立した後に丁寧に付き合う人を絞っていくのが大事です。お見合いそのものは数を回すべきなのですが、別にそれはお見合いゲームでハイスコア出すんじゃなくて、無理に格好をつけない自分のままで心地よく時間を過ごせる相手をみつける為に数を回すのです。俺は駄目でした。戦いの気配を感じると血湧き肉躍るタイプなので永遠にお見合いバトルを戦って勝ちたくなってました……。ご覧、これが修羅道に囚われた人間だよ。生来の血を好む気質を持ちながら、愛する人に誠心誠意尽くして人間みたいになったつもりの血鬼だよ。いつか己の宿業を突きつけられて一人の鬼に墜ちていくのを待つだけの哀れなマリッジハイ……それが私なんだ……。


 ともあれですね……お見合いは沢山するけど、全部に対して勝負をかけなくていいんですよ。巧みに合わせず、合う人を探すための旅。そういう意味で「百戦百勝は良いことじゃないよ」と皆さんにお伝えしたいと思います。


【補足】


 ちなみに男性からお見合いを申し込んで成立する割合は10%ほどだそうです。現役時代、海野しぃるのお見合い成立率は脅威の30%! 調子が良い時は6割持って行くしお見合いまで入るとほぼ仮交際は始まる男でした……! 血に飢えた婚活の鬼です。まあ仮交際でなんか合わせるのかったるくなってお別れになったり、いい感じだったのにトラブルが起きたり、仮交際人数が増えすぎて過労死寸前になったりしてた訳ですが……。こいつが如何に孫子の教えを忘れて婚活の闘争に酔っていたかが良く分かりますね。お前が偉大なる孫子の教えを語るでない……お前は人里に居てはいけない生き物だよ……。

 ともあれ言いたいことは、無駄なことに無駄な労力を割かない方が良いです。婚活はカクヨムファイトじゃないので闘争本能を剥き出しにしないでください。男性はすんなり仮交際が出来ないことが多いので、とにかく全ての仮交際申し込みに頷くように相談所で指導されたりもするそうですが、会ってみるだけ会ってみたとてやっぱ無理だったよなあ……という事が多かったですね……。


【まとめ】


◯どうなるか分からないお見合いを繰り返す時点で理想的な婚活ではない

◯仮にお見合いや仮交際をいくつも順調に進めたところで、結婚を前提とした真剣交際にならなければそれらは無意味


 そもそも正攻法を使わずに済ませることができるなら、正攻法なんて使わなくて良いのです。

 戦えば疲れるんだから戦わずに勝つのが理想です。

 ――という理想を頭に入れた上で、まだ見ぬ明日へきっともっとずっと振り返らず進んでください。

 

【補足②】


 戦わずに勝つ、についてもう少し細くしましょう。


 これは二人の馴れ初めの話です。

 今回、無事ご成婚となった❤マイスイートハニー❤とは、実は最初にX(旧Twitter)で知り合いました。相互の相互くらいの距離の人が、婚活を始めようとして何やら悩んでいるのを見て面白ぇ~と思い、悩んでいる内容が正鵠を射ていたので更に面白くなり、話してみると婚活のシステムに対する理解速度が凄まじく、とても嬉しかったし話していて面白かったことを覚えています。彼女のような面白い人間がつまらない男に捕まるのは人類の損失だから一瞬心配になりましたが、しっかりしているしまあええ人捕まえられるだろうとは思っていました。

 でもまあそれはそれとしてオフ会みたいで面白いのでお見合いは申し込みました。相手はオンラインお見合いNGとか書いてあったのでオフラインで会う為に飛行機をとったりしつつ色々お話していく内にやっぱり面白ぇ女だったので「くそっ、なんであいつのことが気になるんだ……(面白いからだよ)」となりました……。そして何を思ったかその頃には私は「どうせ会うから一度オンラインでお見合いもしときましょう!」とかいう意味不明の理屈を抜かし、なぜかその理屈を通してもらいました。多分、愛だよなこれ。

 このあたりからもうだいぶ面白くなっており、会社で超頑張っていたおかげで御大将社長から拝領した最高級オーダーメイド白ジャケットを身にまとってお見合いオフ会に乗り込みました。婚活としてはありえないだろうとあとから怒られたのですが、気分はオフ会だったのでいけるところまでいきました。ひよってつまらない男だと思われるのは許せなかったから……。


 さて、ここまで話していて皆さんには伝わったかと思います。戦わずして勝つという話しです。お見合いと少し違うルートで心理的なハードルを下げ、こいつ悪くないな……と思ってもらい、お見合いの場では肩の力を抜いて楽しんでもらう。肩の力を抜いて楽しんでもらえれば自然と「こいつ悪くないな……」という気持ちになってもらえるのでバッチリです。お見合いの場でとにかく評価をむしりとろうというスタンスでは得られない幸せの形だと思います。

 普通に婚活戦士として戦うのも大事ですが、戦わずして勝つチャンス見つけたら全リソースを突っ張るのも同じくらい大事です。しぃる曰く「引き当てたワンチャンスから十割持って行くのも実力」と。

 だから婚活はオープンにして、アンテナをバリバリにしておくほうがいいと言った訳です。


 ところでこれからこの文章を❤マイスイートハニー❤に下読みしてもらう為に提出するので応援しててください……。ぶっちゃけすぎた下書き提出するとこみてて……。


 はい、オッケーでました。


 許可をもらったのでこの時の彼女からのコメントも掲載します。

「真面目に話すと俺の相談所のメリットがさァ!語りが面白いと感じてる時点で魂が婚活修羅道に染まり切ってるんよ」

「あと初対面の白スーツは『これだからツイッタラーはよぉ!!』でしたね…呟き見てて『あぁやってくんなこいつ』と覚悟はしてた」

「『書き散らした文を見る限り、私が嫌うタイプの存在じゃなく収入もあり移住先も大概愉快、嫌な要素がないな…ヨシ気の迷いじゃなければいいや、オッケー!』がオンラインお見合いまでの結論でその後の接触はその考えの裏取りだったよとは言っておきます…」

「誤算は思ったよりも浮かれポンチクソボケ存在だった事ですね…相変わらず嫌じゃないからセーフの判定」


 ちゃんとプロポーズ成功までは好き好き大好きを抑えてクールに振る舞っていた海野しぃる、かなりの人間的成長と言えるでしょう。このクールで生来のフールを隠したお陰で、こうしてありがたいコメントを頂くことができています。アツアツ新婚相思相愛やね。

 いろいろな痛い思いや辛い過去に、意味があったんだと今は言いたい……。


 というわけで男子の皆様は最初から好き好き大好きを前に押し出さないようにクールに振る舞いましょう………………いや、我ながらその、どの口が言ってるんだ?


 ええい、それではまた次回! お疲れ様でしたぁ!

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