宝くじ当たったのに人生が空虚だった……そうだ!!怪しい壺買って人生変えたろ!!
アカアオ
第1話 俺の勝ち組人生、始まらない
「これ……マジ?夢じゃねぇよな」
俺はスマホの画面を見て震えた。
手元にあるのは宝くじのチケット。
そこに書いてある番号が……それと同じ番号が当たりの番号として書かれている。
「6億だぞ……6億。贅沢する気はねぇし、一生遊んで暮らせるじゃねぇか!!」
今まで何も取柄の無かった自分の人生がこの紙切れで変わる。
だって、サラリーマンの生涯年数が2億ぐらいだろ?
俺は今からそれを超える金を手に入れられるって事だ。
「アハハやった!!やったぞぉぉぉぉ!!!」
今まで漠然と、自分って負け組なんじゃないかって思う事が多々あった。
でも、これを機に変わるんだ。
俺の、
◇
「暇だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!やることねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
はい、案の定勝ち組人生は始まりませんでした。
だからこうして俺こと
うん。
仕事を辞めて、高くはないけどぼろくもない良い感じのマンションを見つけて。
年に何万まで使えば破産しないか計算して。
親には家のローン返す手伝いだけして。
そこまではよかった。
そこまでは。
そっから1カ月。
夢の様な生活だった。
でも、もう飽きた。
「大体、元々ネット上のオカルト記事見るぐらいしか趣味が無かったんだ!!それだけで毎日幸せに生きれる訳じゃねぇ!!」
あれだ。
前までの生活だとほら。
仕事の休憩時間に動画で陰謀論の解説聞いたり、掲示板に書かれたオリジナル怪異の記事を見るだけで楽しかったんだ。
でも、今にして思えばあれって仕事の隙間時間にやってたから楽しい趣味だったんだよな。
一日24時間365日って膨大な時間を与えられて楽しい趣味じゃねぇ。
「う~ん。他の宝くじ当たった人間は新しい仕事したり、新しい趣味を見つけたりするらしいけど」
正直、働きたくないし。
無駄な心配事なんかなく省エネで生きたいので豪遊なんかしたくない。
でも今の生活をずっと続けるのは味気ない。
「だいたい、金が入ったからって人が変わるわけじゃねんだ。元々趣味もなくボッチな俺がいきなり趣味人とか経営者にはなれはしない。なんでこんな当たり前の事に気が付かなかった?!」
思い出せ
中学生や高校生になれば自然と彼女が出来るんだろうな、なんて思ってたいつかの自分を。
そしてそうは成らなかった暗黒の青春時代を!!
今だって一緒だぞ
金持ちになったって、俺が行動を変えなきゃ何も変わらねぇ。
金持ちになったからって自然と人生は好転しないんだ。
「行動を変える……何をすればいいんだ」
う~ん。
何かいい方法は無いか。
考えろ
今自分が持ってるものを最大限に生かして現状を変える行動。
今の俺が持ってるのは『オカルト趣味』と『宝くじで当てた大金』。
オカルトと大金。
オカルトと大金。
「あ」
ちょっと待て。
天才的過ぎる事を思いついたぞ。
「せっかく金と時間があるんだ。なんか本物っぽいオカルトアイテム買ってみないか!?」
本当に妙な力があれば人生変わるかもしれないし。
もし空振りでも外に出る口実になるし!!
よしッ!!妙案!!
そうと決まれば早速行動に移すぞ!!
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