子どもの頃の大冒険(スタンド・バイ・ミー♫編)
青木桃子
第1話 気分はスタンド・バイ・ミー♫
小学五年生くらい、わたしがまだまだ青い実のちび桃子だった頃の話です。
映画「スタンド・バイ・ミー」
親がこの映画を好きだったようで、夜寝るのが早い桃子たちのために、テレビで放映していたのを録画していた。
三人きょうだい。姉、兄と末っ子のわたしは、仲良く観ましたよ。
映画「スタンド・バイ・ミー」について。不朽の名作ですが、ご存じない方のために、念のため簡単に紹介します。※「STAND BY ME ドラえもん」の方ではありません。
スティーヴン・キング原作です。
オレゴン州の小さな町に住む少年たちの青春物語。四人の少年が好奇心から、線路づたいに“死体探し”の旅に出るという、ひと夏の冒険を描いている。兄弟間の葛藤において生じるカインコンプレックスについても描かれた。(※wiki抜粋)
主人公のゴードン・ラチャンス(ゴーディ):文学少年で、話を創るのが得意。のちに作家になる。
クリス:ガキ大将だけど、ゴーディに物書きになるよう勧める。
テディ:眼鏡をかけている。口が悪い。
バーン:ぽっちゃり。臆病者。
爽やかな少年青春ロードムービーではないです。この物語の背景は、今風でいうと、町ガチャ親ガチャです。
治安の悪い、貧しい人たちが暮らす町。劣悪な家庭環境に置かれた四人の少年の抱える悩み、それぞれの親との関係。寂れた退屈で未来の見えない生活から抜け出せないジレンマ。そんな時に線路沿いに死体が転がっているという刺激的な情報が入り、見つけたら町のヒーローになれるんじゃないかと四人は考え、死体探しの旅に出る――。
のちに原作者は「自身の実体験をもとに話を書いた」と語っています。大人になってからもう一度観ると、考察したくなる深いお話ですが、とっても深すぎて、浅い考えの桃子は考察しきれていません。汗。なので、スタンドバイミーに興味ある方は観て、よかったら感想くださいね。
話は戻って、当時のちび桃子の感想。
夏休み。少年たちだけで、線路の上を歩く冒険もの。ハラハラドキドキの展開。
(面白い! 楽しそう! やってみたい!)
単純な桃子は、友だちだけで、何か冒険したい病にかかる。
当時のちび桃子、陰キャのくせに、とにかくやらないと気がすまない性格なので、友だちを巻きこむことにした。
今でもそうですが、興味があるとすぐ飛びつくミーハー桃子です。(小説も同じです。文章下手だけど、とりあえず書いてみたい病にかかる) 飽きるのも早いです……。
しかし、ちび桃子、落ち着いて考える。リアルに死体探しなんて無理。でもとにかく友だちと冒険したい。目的地はいろいろ考えた。最終的に—―。
「そうだ! 田舎の山奥に住んでいるおばちゃん家に行ってみよー」
※おじいちゃんもいますが、この頃はなぜが「おばあちゃん家」と言っていた。
母方の祖父母の家に行くのはいつも車だけど、一度だけ電車とバスで行ったことあるから行き方が分かる。
友だちと電車で冒険したい! 仲の良い友だち二人を誘いました。さっそく映画のように登場人物紹介します。
近所に住む幼なじみアヤちゃん
最近、仲良くなったカナちゃん
アヤちゃん:しっかり者。背の高い色白美人さん。
カナちゃん:優しくておっとりした女の子。
ちび桃子:めんどくさくて頑固。少女漫画家を夢見る。
「わたしのおばあちゃん家に三人だけで行って、泊ろうよー」
「いいね!」
「行きたい!」
軽くOKいただきました。
親にお願いすると、桃子の自由すぎる行動に心配して、何度も念を押す。
「本当に、大丈夫なの?」
「絶対、大丈夫!」を連呼する桃子。絶対って、その自信はどこからなのか?
こうして夏休み、おばあちゃん家に行くことになりました。
チビ桃子の予定では……。
START! 私鉄――乗り換え――私鉄――乗り換え――バス――目的地近くのバス停を下りる――徒歩――GOAL! おばあちゃん家。
うんうん。わたしの計画通りにいくかな?
わくわくが止まりません。
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