第5話 オフショア投資

 コロナが始まってくらいの時に一人の女性Aと知り合った。シングルマザーの彼女はオンラインサロンに誘ってくれた。毎週いろんな事をみんなが教え合うサロンだった。若い子が多く、いろいろな事を教えてくれる。


 ある時、その中の一人がすでにFIREをしているBという女性の資産形成についての勉強をした。とても気になったので彼女が有料でオンラインでやっているという投資信託の授業も受けた。これは今でも役に立っている。


 その彼女Bの師匠Cという人がいて、その方たちのオンライン講座も受けた。

 師匠CももちろんFIREしていて今は不労所得で生きている。お金で人が苦しんでほしくないと好意で講座をやっているんだそうだ。


 FIREするには支出を減らす。車を買ったり時計を買ったり、ブランド品を買ったりとかしていてはFIREできない。ただの自転車操業になってしまう。


 日本は経済破綻をしたギリシャよりも借金がある。そして今まで2回も預金封鎖をした事があり、国民の貯金でその借金を賄った事がある。

その2回とも渋沢栄一と何か関わりがあり今度の新札は渋沢栄一だから預金封鎖するかもしれない!

 

 無知な私はその現実に衝撃を受けた。日本の銀行に預けていたら取られてしまうかもしれない。どうしたらいいんだろう。


 もちろん同じように恐怖を感じる人達だ。質問も出る。答えは…

「海外に預金口座を作ればいい」

「えっどうやって?」


「海外に移住すればできるよ」


 ずこっ!!

 

 移住なんてできるかっ!つうの!


 で、投資詐欺に気を付けてという話。

『年利8%を超える投資話は詐欺!コツコツと投資するのみ!』

という注意喚起であった。


 結局、解決策のような物はなく、支出を減らして経済的自由を手に入れて行こう!

保険の無駄!など、投資というのは余剰金で行うものなどを教えてもらった。


 これが予告だったのか入り口なのか…


 それから、藁をもすがる気持ちでAに相談してAもやっているという師匠Cの日本にいながら海外に投資ができるという個人的講座を受けれるチャンスを得た。私を含めて3人。本気の人しか受ける事ができないという物だ。


「絶対に誰かに相談してはいけないし言ってはダメだよ。みんなやりたがっちゃうから…」

「嘘など多くの事がネットで出ていたりするから自分で調べてはいけない」


 う~ん、怪しい感じがする。

 投資内容はイギリスのマン島にある保険会社の積立投資。10年間投資したらその後は毎月15万入ってくる物で投資額は毎月500ドル。その時1ドル150円くらいだったおしても7万5千円だ。中々の額。しかも最初の2年間分は帰って来ない。でも年利8%で増える。


(詐欺は8%以上って言っていたギリギリの年利?!)


 師匠Cを通して申込が可能な品なんだそうな。


 私としての一番の問題は下ろす時はどうなんの?である。

どうやら海外からの送金?になるらしく下ろす事になる。

との事。


 それって今はAと仲良くしていても彼女はいつか海外に行くと言っているし、下ろす時は着実に自分でやらねばならない。


「今日、決めて」

 そう言われて他の二人は若いので決めていた。しかし!だよ!

1週間待ってもらう事になった。


 『調べてはいけない』と言われたが調べまくった。

 ちゃんとある会社だった。IFAという仲介者からしか入会できない。


 私のネット調べでは師匠Cが言うよりも低い金額から始められる。投資期間も選べるようだ。


 1週間後

「考えてくれた?どうだった?」

「あの聞いてもいいですか?」


「なに?」

「家計が苦しくて500ドルじゃなくてもうちょっと低い金額からできませんかね?」


「あぁ、500ドルなんだよねぇ」

「期間も10年より短くできませんか?」


「10年より短いと損でしかないんだよね」

「あぁ、そうなんですか…」

(あるって教えてくれないんだ…)


「リスクとかってないんですか?」

「ないよ」

(いやいや、投資でリスク無しはないだろう)


 うん!決めた!


「お時間いただいたのに申し訳ありません。やっぱり無理です」

「あぁ、そう。うん、分かった。じゃ、ご縁が無かったという事で…

それでもAちゃんとは仲良くしてあげてよ。ちゃんとコツコツと途中で下ろさずに投資し続けるんだよ!」

「はい」


 そこで師匠Cとはプッツリ綺麗に切れた。Aとは今でも仲良くさせてもらっている。


 オフショア投資をする、しない。信じる、信じないは自由なのだ。リスクをちゃんと説明してくれてたらやってたのかなぁ…


 どちらにせよ月に500ドルは出ません!余剰のお金が無かったという事と、10年という期間も無いという事。そして何よりも自分で下ろせる英語力も無いという事だ。


 バカには儲け話も使えない。豚に真珠なのだ。


 20代で独身で自分で稼いでいたらやっていたかもしれない。あぁ!やっていれば良かった!!と地団駄踏むのかな。でもさすがに乗れなかった。


 とりあえず新札に変わる時に預金封鎖が起きなきて良かった。そういう事にしておこう。








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