幼馴染の女友達のことが好きな俺と幼馴染のことが好きな彼女が協力関係を結ぶ話 〜協力関係から始まるラブコメディ〜

赤岡伊織

第1話 協力関係

 このクラスには二人の超絶美少女がいた。

 一人は、恵江心愛えびえここあと言って、青色の美しいストレートロング髪が特徴の女の子である。


 この子は誰にでも優しくおまけに成績優秀スポーツ万能、俺から見れば日の打ちどころのない完璧超人みたいな人だった。


 そして、なによりこの子は俺の幼馴染である名前は綿谷蓮わたやれんと言って、爽やかイケメンでスポーツ万能で俺と違ってモテまくってる俺の幼馴染のとても仲がいい可愛い女友達だった。


 そんな俺の名前は遠野純人とうのすみとと言ってスポーツは平均、勉強は本当にもうダメダメなどこにでもいる普通の高校生である。


「ふう〜! 今日もやっと授業が終わったな!」


「そうだな! 蓮は今日も部活か?」


 俺は今日の授業が終わり、蓮といつも通り話をした。

 蓮はバスケ部に所属していて、先輩には次期エースとまで言われる実力者である。

 我ながら幼馴染がこんなすごいやつでなんだか自分のように誇らしい……


「まあな! 最近大会が近いから忙しいんだよ! なあ、純人今度久しぶりにどっかで遊ばねえか?」


「いいね! 久しぶりにショッピングモールでも遊びに行くか?」


「おう!! 行く行く! 絶対行く!!」


 俺が蓮にショッピングモールを提案すると、彼はめちゃくちゃ雄叫びを上げて喜んだ。


「蓮ー!! 今日もお疲れぃ!!」


 すると、俺と蓮の所に一人の女の子がやって来て、蓮とハイタッチを交わす。

 その女の子こそ、俺の好きな人の恵花心愛である。

 相変わらず恵花さんは超絶可愛いな〜!!


「はい!! 純人くんもハイタッチ!!」


 すると、彼女は笑顔でそう言って俺にハイタッチを要求してきた。

 俺は恥ずかしがりながらも彼女とぎこちないハイタッチを交わす。

 ああ〜めちゃくちゃ緊張した〜!!


「蓮はこのあと部活でしょ?」


「ああ! 今日も全開バリバリやっていきますぜ」


「頑張ってね応援してる!!」


「おう!! おんがとな!!」


 蓮と恵花さんは二人でにっこりと微笑み合う。

 俺は実はこの二人付き合ってたりなんて思っているが、流石に本人たちがそれを否定しているのでそれはないだろう……

 まあ、みんなに隠れてコソコソ付き合ってる可能性があるが……


「それじゃあ! 純人くん! またね!」


「……あ、うん……また明日……」


 俺は蓮が部活に向かった後、この場に二人だけになった時に、彼女は俺に挨拶をして友達の元へ向かっていってしまった。

 俺はそれに対してぎこちない返事を返した。

 もお〜! なんで俺は彼女の前ではガチガチになっちゃうかな!!

 俺は女の子に免疫がないわけじゃない、むしろ妹がいる影響かはわからないけど、女の子とは普通に接することができる……ある一人を除いては、そう俺は好きな女の子の前ではRPGなどで主人公たちの進行を邪魔になっている、道を通せんぼうしている岩みたいにガチガチになってしまう。


 いい加減このガチガチを治して、彼女と普通に接することができるようになりたい……

 じゃないと一生仲良くなんて無理だ……


 俺は自分の机から家に持って帰るものをバックに詰めて、バックを持って自分の家に帰ろうと教室を出て歩き出した。


「……うーん、どうしたら彼女と普通に会話ができるようになるんだ……?」


 俺はぶつぶつ独り言を言いながら、生徒玄関を出て校門に向かって歩いていた。

 そして、校門につこうとした最中、一人の女の子に話しかけられた。


「君……今ちょっといい?」


「え? いいですけど……俺に何か用かな?」


 俺は女の子に話しかけられて、そう聞き返す。

 よくよく顔を見ると俺に話しかけて来たこの子は俺のクラスで恵花さんと同じく美少女と言われている人で名前は柚江奈々ゆずえななと言って、美しい茶色のショートカットヘアが特徴でスタイルがとてもいい、こちらも完璧美少女である。


「あの……柚江さんが俺に何のようですか?」


「ねえ、あなた今時間ある?」


「ええ、時間はありますけど……」


「それじゃあ! ここから近くにある私たちの学校では有名なカフェに行きましょう!!」


「え? カフェ? どうして俺のことをカフェに……?」


「まあ、細かいことは後で話すから今から私についてきて!!」


 柚江さんはそう言って俺の前を先導して、カフェに向かって歩き出す。

 俺は何が何だかわからなかったけど、とりあえず彼女の後ろについて歩いて行った。


 そして、カフェに到着すると、俺たちは二人がけのテーブルに座った。


「さて……それでは本題に入るわ!! あなた! 綿谷くんの幼馴染なんでしょ!!」


「え? はい……俺は幼馴染ですが……」


 ここで蓮の話題を出すということは俺をカフェに連れてきて話があるっていうのは蓮関係の何かなのか?


「私……実はね……あなたの幼馴染の綿谷くんのことが好きなの!!」


 まさかだった……まさか柚江さん突然のカミングアウトをかましたことで、俺はしばらく椅子に座りながら固まる。


「え? 柚江さん! 蓮のことが好きなの?」


「なに? 私が綿谷くんを好きで何か悪いかしら?」


 いやいや、悪いわけがなかろうが……

 てか、なんでこの人ちょっとキレてるの?


「いや、ちょっと意外だったから……その、蓮と柚江さん、あんまり交流なかったからさ……」


 蓮と柚江さんは同じクラスではあるのだが、あんまり喋っているところを見たことがない……


「私は綿谷くんとお話ししなくてもずっと綿谷くんのことを見ていたわよ!! 綿谷くんとってもかっこいいんですもの!!」


 柚江さんは蓮のことを思い浮かべたのか、めちゃくちゃ照れながらデレデレしていた。

 なんか、蓮……あんたモテすぎじゃないか……


「あの……それで、蓮のことが好きなのはわかったけど、それを俺に言ってどうするの?」


 俺は柚江さんに間髪入れずそう聞いた。

 蓮のことを好きなのはわかったけど、それを俺に言ったところで何か変わることもないしな


「その……私あなたの幼馴染のことが好きじゃない……だから! お願い! 私と遠野くんが仲良くなれるように協力してくれないかしら? 私もあなたが好きな人と仲良くなれるようにできる範囲で協力するから!!」


 すると、柚江さんは俺にそう説明して頼み込んできた。

 今俺は、幼馴染のことが好きな柚江さんに協力関係を持ちかけられた。



 ーーあとかぎーー

 ここまで本作品をご一読いただき誠にありがとうございます!

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