カラコロ

水島あおい

第1章 カラコロ

第1話

5月の球技大会の日、クラス別のバスケの試合が行われていた。

一際動きが目立つのは、1年B組の宮田壮真だった。

素早いドリブルでA組のディフェンスを阻止して、仲間にボールをパスする。そして仲間が取られそうになったボールを受け取ると、ロングシュートを放った。

ボールは見事にゴールの中に決まった。

「キャー!宮田君、素敵!」

「カッコいい!」

女子生徒達はみんな釘付けである。

宮田壮真の格好良さはまさしく学年、いや学校一である。

それだけではない。

新入生テストでも学年トップだった。

何もかもが整っている。

まさしくスターであった。


「宮田君、私、前からあなたの事が好きでした。私と付き合って下さい」

「ごめんね。俺、他に好きな子いるんだ」

青楓高校の屋上である。

今は昼休みだ。

告白されているのは一年生で人気No. 1の宮田壮真だ。

「好きな子って誰ですか?」

「ごめんね」

壮真は済まなそうに言うと、そのまま屋上から出て行った。

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