第9話
ゴールデンウィークがやって来た。
心は大分に帰って来た。
2人は、ファミリーレストランで食事をしていた。
笑里は心の変わり様に驚いていた。
僅か1ヶ月で心は鍛えられていた。
"何か……素敵になってビックリした"
"毎日、実習があるからね。一時も気が抜けないんだ"
"そうなんだ"
"山登りは楽しかった?"
笑里が山登りの話をすると、心の顔は輝いた。
"友達と一緒に登ったんだけど本当に楽しかったよ。初心者でも登れる山だったからかな"
"へえー"
友達の話、実習の話、勉強の話、寮での話、まるで泉のように話が湧き出して来た。
笑里はそれを聞きながら置いてきぼりを食ったような寂しさも感じていた。
"笑里の方は練習はどう?順調?"
"メールにも書いたけど、タイムが上がったの"
"ああ。いいタイムだよ"
"愛永との朝練も上手く行ってるよ"
"それは良かった"
話が止まらない。
心の手も笑里の手も動きっぱなしである。
"ゴールデンウィーク明けからバイトするって
…… "
"そう。レストランの皿洗いと調理補助。やってみようと思って"
心の言葉を見て、笑里は少し不安気な顔になった。
"日曜日?"
"平日の夕方。夜の10時迄"
"そうか。無理しないでね"
"ああ、ありがとう"
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