トレーニング2

「いやこうだな」

 レックスは身体を反らせた。

「こう、すか?」

「うーーーーん?」

 レックスは身体を反らせながら、こちらを見る。

「うん、まぁそう。ウルフのクセに遠吠えの格好とか出来ないのな」

「あんまりやったことないっす」

 レックスは身体を反らせ終わると、コーナーポストに登る。

「それでこれか」

 くるりとバク宙をして見せ、敷かれた青いマットにうつ伏せで着地をした。

「まっすぐだから、ほら」

「はい」

 俺はコーナーに上がる。最近は慣れてきたのか、足の震えは無くなってきた。しかし、飛ぶ事は難しい。

「ほら、クルッと行け、クルッとよ」

「いや、無理です」

 俺はしこたま、顔に汗をかいていた。

「ま、慣れだな、こういうのは」

「はい」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る