第7話 噂の真実
「いつからこんな
あんなことがあった後だというのに、幽子は意外にも帰ろうとはせず、一郎の部屋まで来た。
心臓に毛どころかキノコでも生えてるのでは?
「さあ? いつかはわからないけど、少なくとも俺が引っ越す以前からそういう
「その人たちは?」
「さっき言っただろ? 今は俺以外
19階にあった最新式家具、
「出ない部屋とかはないわけ?」
「そんなもんあったら誰か住んどるわ。プールにサウナ付きで
「こういう事って
「毎晩どころか、時間帯を問わずほぼ毎日な」
夜と比べればマシではあるが、昼間もしっかり発生する。
「引っ越そうとか思わないの? 実家がお金持ちならできるんじゃない?」
「実際一回引っ越したんだ。でも、どうも俺取り
ズン――と、
まるで人間一人を背負わされたかのようだ。
「引越し先でも普通に出てきて……結局ここに戻ったよ。どのみち取り憑かれているのは変わらないから、金がかからない方が多少はマシだ」
「もしかして田中くんが貯金をしている理由って……」
「そういうこと。多分、きみが想像していることで正解だよ」
一郎が限界ギリギリ貧乏生活を自分の意思で
そのためならば、
元の普通の生活に戻れるならば、
「
と言っても、テレビで見かけるような
本物はもっと普通の格好をしている。
一般的な表の仕事を持っていて、裏でそういうことをしているのだ。
親の仕事が不動産屋なので
「そういう人たちに仕事を
「ご両親に
「それを
「なんでちょっと
「幽霊にも
電話で話そうとしたらスマホが
ならば手紙で教えようともしたのだが、鳥に
実家で
「マンション全体に起こっていることは親父も
一郎に取り憑いた幽霊は、学生にそんな金貯められるわけがないとたかをくくっているのか、それともその前に取り殺せると思っているのか、貯金に関しては何も
だから、高額の除霊料金を自分一人で貯めてなんとかする。
その上で全体の除霊が終わるまで避難する。
それが彼の出した
「この幽霊、特に女の子に対して
「ああ、だから――」
「『お持ち帰り率100%の童貞』なんだよ」
お持ち帰りした女の子は
お持ち帰りした女の子に毎回手を出さない理由がわからないから、男連中は勝手に失礼な
それが田中一郎の
「で、どうする? この
「住むに決まってるじゃない!」
しかも、目をキラキラさせて食い
「最高の立地に最高のサービス! おまけにプールにサウナもある上、幽霊が出るだなんて超最高じゃない! この場で
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