第2話頼まれると断れないタイプなんです

「えっと、その、正しくは...偽彼氏になって下さい!」

ん????

本当に聞き間違えたのかもしれない。

「えっ、それってつまりどうゆうこと?」

なにいってるんだ俺は

異常事態だからか理解が追い付いていないからか、そのせいだ、きっとそうだ。

「えっと、少し自意識過剰とか言われるかもしれませんけど、私ってかなり身なりが整ってますよね。」

全く自意識過剰ではないな。事実だ。

「なので、知らない人達から告白されたりするんですよ。」

なるほど。美少女過ぎるのも困りごとなんだな。

「だから、その、告白されないようにするために」

なるほど、つまり男避けになれと言うことか。

しかし俺は本当に運がいいんだな。ここで一生の運を使いきった自信がある。あと生きているうちに43回くらい車に引かれそうだ。

しかし、付き合ってしまうのはなんだか申し訳がない。

もちろんやりたいが、人を騙しているようで、いい気になれない。

「ごめん。そういうのはなんか悪いことをしてるようになるから。それに偽の恋人だとしても釣り合わないよ。他の人を当たって。」

「いえ、七瀬くんだからこそいいんですよ。他の人たちは私のことを見た目や体で選んでますし、私と付き合っていることをステータスにしようとしますから。あなたはそんなことをしない人です」

へぇ男ってそんなゴミみたいな奴らばっかなのか。

そもそも俺がそういうことをしない奴だってどう判断したんだ?

「なんで俺がそんなひどいことしないと思ったの?するかもよ?」

「あなたはそんなことしない目をしています」

なんだそれ、目からなんかわかったりするのかな?

「と、とにかくお願いします。何でも言うこと聞くので」

何でも聞いてくれるのか。少しやりたくなってきたな。

でも俺はまだ揺らがないぞ。

「本当に、人助けをすると思って...」

人助け?確かにこれも人助けと言えば人助けかもな。

それにここまで頼み込まれると断るのも申し訳なくなってきたな。

「そこまでいうなら...いいよ」

すると彼女は顔を明るくして嬉しそうに

「ありがとうございます!ありがとうございます!」

と言い勢いよく頭をブンブンしていた。かわいいなこの人。

「では、詳しいことはまた明日話し合いましょう!」

「うん。そうしよう」

勢いに押されて許可してしまったがよかったのかな。まぁいいか。

明日が楽しみだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る