クラス最弱!ネタスキル「はっぱ」の覚醒〜一緒に召喚された皆は先に進み、ぶっちぎり雑魚認定されて3年間Lv1で放置されたけど、実はこのスキル最強でした〜
LA軍@多数書籍化(呪具師200万部!)
第1話「パーティからの追放」
「おい、マイト。悪いが、今日をもってお前をパーティから除籍する」
「は?」
え? は? え?
突然のパーティリーダーの宣言に、思わず絶句する俺ことマイト。
まともな反応もできずに、ポカーと口を開けた様はさぞ間抜けに見えたのだろう。
リーダーである『双剣使い』のゲンキの他、出っ歯の『盗賊』ゴート君と、エッチな格好をした『魔法使い』のエグチさんの2人のメンバーもこらえきれずにゲラゲラと笑いだす。
「ぶははははは! いきなり、そりゃねーっすよ、元気のアニキ」
「うぷぷ!
ぎゃっははははははは!
3人そろって笑い声をあげるものだから、つられてマイトも追笑する。
「は、ははは。なんだよ、おどろかせないでくれよ──ジョークかよー」
あははは! びっくりしたー。
そりゃ、数年もの付き合いがあるのに、まさかこんな急に──。
ピタッ。
突然凍り付いたように表情と態度を凍り付かせた3人。
「……はぁ?」
「何言ってんのコイツ?」「バッカじゃないの?」
え?
「いや、え? じょ、ジョークでしょ?」
「はぁぁぁ?! お前は何を聞いていたんだ?」
ダンッ!
ふんぞり返ったゲンキくんが、ギルド併設の酒場のテーブルに足を投げ出すと、マイトをねめつけると、
「う……」
背に担った双剣が彼をますます強大にみせ、思わず一歩下がってしまうマイト。
アタッカーを務めるゲンキ君と、
「もっかいだけ言ってやる──クビ!! 解雇!! リーストーラー!!……ようするに」
「「──出ていけってことだよ、役立たず~!」」
……え?
えええええええええええ?!
「な、なんでだよ? きゅ、急にやめてくれよ」
こう見えて長い付き合いだろ?
意味も解らず「異世界召喚」させられてさー。
底辺同士で、勇者だの賢者だのと持てはやされたクラスのカースト上位のアイツらと違って──。
「お、俺たちは仲間だったじゃん!!」
「は(笑)!」
「仲間だってよ」「笑っちゃうわねー」
マイトの必死の訴えを鼻で笑って流す仲間……いや、元仲間の3人。
つまり、ゴート君にエグチさんは当然、ゲンキ君サイドらしい。
「な~にが急だよ、前々からちょいちょい言ってただろ!」
「そーそー、察しが悪いんだからよー」「空気読みなよねー」
元仲間ふたりもとっくに知っていた様子で、マイトに味方してくれるものは誰一人いない。
それどころか、無関係のギルド内の冒険者すら、耳を傾けているが、こちらに視線を合わせるものは誰一人いなかった。
「こちとら、Cランクになったんだよ! わかるか? Cランク! この銅色の認識票がみえねーのか!!」
「そうそう、ゲンキ君が晴れてCランクになったおかげで、俺達のパーティもCランク相当ってわけ!」
「つーまーりぃ! 新生『
くすくすくす。
「「「役立たずは、ここで
ぎゃーっはははははははははは!!
「な、な、な、な──」
なんてことを!!
ずっと、ずっと、ずっと仲間だと思ってきたのに!!
「はぁ~? そりゃお前だけだろうが。こちとら、スキル「
くっ!
ゲンキ君の言うことはもっともで、たしかにマイトはパーティではただの荷物持ちとしか貢献できていない。
「で、でも! それ以外にも色々やってるだろ?! 冒険中の見張りや、雑用全般は俺が──」
「なにが雑用だよ。そんなの誰でもできるよ。ちなみに、僕はスキルのおかげで盗賊職として有能だし」
「私は当然、強いしー。スキルのおかげで魔法使いとして大成するわよー」
あははは!
「それに比べてお前の『スキル』ときたらなんだぁ?」
「え~っと、たしかなんでしたっけぇ──あの『スキル』」
くっくっく。
「そーそー、え~っと確かあれよ、あれ──」
くすくすくす。
わかっているくせにケラケラ笑う3人の顔が醜悪に歪む。
今がいわゆる追放の真っ最中だというのに、それでもマイトがこのパーティにしがみつこうとする。
……いや、しがみつかねばならないのだ。
だって、俺たち異世界召喚者は、全部で約100人。
数年前のある日突如として、学校の一学年丸ごと召喚され、わけもわからぬままこの世界の戦いの中に放り込まれたのだ。
その際に、全員が『転生ボーナス』を貰ったのはいいけど、それが役に立つか立たないかなんて、この世界に召喚したや
つの気まぐれでしかなかったのだろう。しかも、言語化が
……第一、役に立つスキルを貰った奴はいいさ。
『せいけん』とか『けんじゃ』とか『りゅうつかい』とかさー!!
──そいつらみたいに、ガチャであたりを引いた奴は最初っから成功が約束された上位プレイヤーってわけで、そうでもない残りのクラスメイトは、クソみその扱いだ。
そりゃ、最初のころは同じ召喚者どうしということで、上位の連中も気を使ってくれたが、
数カ月もたてば、勇者だ英雄だなんて持て囃されて、調子に乗り出し──ついには魔王討伐だなんて言って、勝手にどこかに行ってしまった。
もう、今はどこで何をしているかもわからない。
そうして残されたのは、彼らほど強力なスキルでもない、後衛スキルやら生産系スキル──あるいは、いわゆる『ネタスキル』やら『外れスキル』やらというわけ。
ふふふ。それでも後衛スキルや、生産系はまだいいさ。
それはそれで重要なスキルだしこんな世界でも役に立つとされて国の要職についている。
『じょうか』とか『ふくせい』とかさー! 使いようによっちゃチートスキルだよな。
さらには、召喚されて1年が過ぎれば、状況はますます悪化していく。
ただ飯食らいは必要ないといわんばかりに、召喚した連中の態度があからさまに冷たくなったのだ。
おかげで、最後まで生徒を庇ってくれていた同時に召喚されてしまった教師陣も、元の世界に戻る術がないと理解するや否や、地球でのしがらみを捨てて、好きに勝手にふるまい始めた。
あとはもう語るまでもない。
──……そうして、残るネタスキルとハズレスキル持ちはと言えば、
こうして底辺は底辺らしく、結託して在野に飛び出し生計を立てることにしたというわけ。
……もっとも、あれから数年。
ネタスキルだのなんだのも、使いようによっては化けるということが最近わかって来たのか、
こうして、スキル「
まー。いわゆる晩成型スキルというやつだ。そして、ゴート君とエグチさんも同じ感じ。
ちなみに……マイトはといえばぶっちぎりの『外れスキル』だ。
いや、ハズレかどうかすらわからないレベルのそれ──。だって、使い方もよくわからないし、名前からしてネタどころの話ではない────。
そう、
Cランクに昇格したてのパーティ『神の目』の荷物持ちとして冴えない冒険者をしていたマイトのスキルの名は──。
「ぎゃははは! おいおい、二人ともひでぇなー。もう忘れたのかー。
ゲンキくんは上機嫌に笑う。
もう、元と強調するくらいに、マイトのことは仲間として認識していないのだろう。
いや、それもそうか……。
むしろ、これまでずっと仲間でいてくれたことに感謝────。
「あーあーあー、思い出しました、思い出しました! い~ま思い出したよぉ!」
「私もー! じゃ~、みんなでいっせーのーで、言おっかー!」
くすくすくす!!
ぎゃはははははははは!
せーのー!!
「「「スキル『
ッッ!!!
それを聞いた瞬間、マイトはもう何も考えずにその場を去った!!
目に悔し涙を浮かべて、脱兎のごとく──────!!
だって、
だって、
だって!
「ひゃははははははは! 退職金はねーぞー」
「
ぎゃーはははははははははは!!
それを皆まで聞かず、マイトはいたたまれなくなりその場を飛び出し、夜の街へと逃げるように走り去っていった。
こうして、異世界召喚3年目にして、元柏原高校の普通科生徒──『
─────あとがき─────
久しぶりの投稿です!
カクヨムコン用に頑張って15万文字ほど書きました! 毎日更新目指して書きます、一日に複数投稿もするかもッ!
皆さまにおかれましては、是非とも、初期のスタート応援をお願いします!
↓ほうにあります『☆☆☆』へのチェックと、
「作品のフォロー」を是非ともお願いします。
作品更新への励みとなります! 何卒、なにとぞ、よろしくお願いします!
クラス最弱!ネタスキル「はっぱ」の覚醒〜一緒に召喚された皆は先に進み、ぶっちぎり雑魚認定されて3年間Lv1で放置されたけど、実はこのスキル最強でした〜 LA軍@多数書籍化(呪具師200万部!) @laguun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。クラス最弱!ネタスキル「はっぱ」の覚醒〜一緒に召喚された皆は先に進み、ぶっちぎり雑魚認定されて3年間Lv1で放置されたけど、実はこのスキル最強でした〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます