第二章

バイクを走らせて20分

俺はエンゼルラインラインというところに来ていた

どういうところかというと標高600mぐらいの山で、景色がいい展望台だ

ガイドブックに載っておらず、良く言えば穴場スポット、

悪く言えばただの展望台と言う言葉があっているだろう

山道なので仕方がないが道路がくねくねなのが気になる

車で走っていたら確実に酔っていただろう

それに今日は曇りで山の下はちょうどいい気温だが、山の上は寒い

俺はバイクを止める

(思っているより人、いるんだな。)

今日は俺と同じでバイクで来る人や登山で来ている人が多い

ちなみに標高600mって登山初心者向けの山らしい・・・だからか。

走っている途中に木々の隙間から時々見えた景色も良かったが、

展望台から見える景色の方が格別に綺麗だっだ

俺は数枚写真を取ると同僚に送った

『綺麗だろ?でも、今の俺の目の前にお前に送った写真より

ずっときれいな景色が広がっているぜ。お前はこんな景色見られないと思うから

写真を見られるだけラッキーだな!!』

とご丁寧にこんなメッセージ・・・いや、煽りまで添えて

自慢したかったのだ

今どんなきれいな景色を見ているのかってことを

「うーん・・・」

(この場所って観光地化すればもっと人集まると思うんだけど・・・)

その時、俺のスマホがピコーンという音を鳴らした

画面では同僚からのメッセージがあると表示されている

メッセージを見てみると

「・・・・・・。」

うーん気のせいかな?

『今ここにいるんだけど?俺が大人しく日本にいると思うなよ。

お前も外国に行ったらどうだ?あ、お前にはそんな金ないか。

ごめんねぇ、俺だけ海外を堪能させてもらって〜笑』

という煽り性能が高い自慢と共に外国らしき場所の写真が送られてきたような気がするんだけど・・・

えーっと現実ってあっちかな?

(!!・・・なんか、今画面の向こうですごくドヤついた顔が見えたんだが?

ムカつく!!)

「いいよぉー俺だってここの景色堪能してるもんねー」

こんなちょっっっと煽られたぐらいで行きたくなるようなチョロじゃないし?

このぐらいでムカつくほど俺は単純じゃないしぃ?

こんな煽っても俺にはダメージないからな!!

「・・・・・・。」

(はぁ・・・俺も海外行ってバカンスしたい・・・自慢したい・・・)

「・・・十分見たし、帰るか。」

バイクを走らせながら木々の隙間から海を見る

「俺も昔は心が澄んでいたのにな。」

「いつからだろうなぁ純粋な心を無くしたのは。」

「まぁ、いっか!昔も、今も最っっ高に楽しいし!」

俺は景色に見惚れ、色褪せた学生時代の思い出に浸りながら帰路についた

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おばまさんぽ OJH @OBJH2024

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