神話について

入江 涼子

第1話、日本神話壱

 こんにちは。


 今回、新しく神話について書きたいとふと思った。なので、私が知っている範囲でしていきたい。

 まず、日本神話でやって行こうかな。

 有名なものだと伊弉諾・伊邪那美尊いざなぎ・いざなみのみこと夫妻の話だろうか。この二柱の神は国生み神話でよく知られている。

 けど、伊弉諾や伊邪那美より前にも何柱もの夫妻が生み出され、国生みを試した。が、何故か上手くいかない。

 原初の神々は最後に先述の夫妻を生み出す。この二柱の神は地上に降り、ほこを使う。混沌とした地上をかき混ぜ、幾つもの陸地を創り上げた。

 次に、二柱でいろんな神々を生み出した。最後に伊邪那美は火の神である火之迦具土神ほのかぐつちのかみを生む。

 ところが、伊邪那美は出産の際、大火傷を負ってしまう。これにより、彼女は黄泉のよみのくにに逝ってしまった。伊弉諾は大いに嘆き悲しんだ。そして、まだ赤子であった迦具土神を殺めてしまう。この際に何柱かの神が生まれたが。

 これは割愛させていただきたい。

 伊弉諾は後に、地下にある黄泉の国へと旅立つ。妻であった伊邪那美に会うためにだ。

 黄泉比良坂よもつひらさかを下り、黄泉の国に入る。しばらくすると、妻の伊邪那美らしき声がした。


「……あなたは何故、こちらに?」


「ああ、伊邪那美。そなたか」


「どうして、黄泉にまでいらしたのです。早くお帰りください」


 伊邪那美は強い口調で言った。が、伊弉諾は譲らない。


「いや、どうしてもそなたが忘れられなくてな。それでここまで来た」


「伊弉諾様、そんなにわたくしに会いたかったのですね。では、少しお待ちください。けど、決してわたくしの姿をご覧にならないでくださいまし」


「……分かった」


 頷くと伊弉諾は暗闇の中、妻が来るのを待ち続けた。けど、一柱だけで待つのがなかなかに苦痛になって来る。伊弉諾は痺れをとうとう切らせてしまう。髪にしていた櫛を取り、一本を折った。それに火を灯す。この火の明かりを頼りに中に分け入る。

 そうしたら、ある部屋らしき場所にたどり着く。明かりで見たら、棺らしき物があった。

 何気なく、中身を確認する。すると、そこには変わり果てた伊邪那美の姿があった。周りには雷神などが集まり、恐ろしげな異形に彼女はなってしまっていたのだ。

 姿を勝手に見られた事に伊邪那美は大いに怒り狂う。


「……わたくしの真の姿をご覧になってしまいましたか、なら。生かしては置けませぬ!」


「な、い、伊邪那美?!」


 伊邪那美は夫の制止も聞かずに追いかけて来た。伊弉諾は必死になり、黄泉の国を逃げ出すのだった。


 比良坂まで来ると伊弉諾は黄泉軍よもついくさの呪物と呼ばれる魔除けになる物を投げ、伊邪那美が来られないようにする。けれど、それでも伊邪那美は追いかけて来た。

 仕方なく、道の途中に巨大な岩を置いた。伊邪那美は通せんぼを食らい、さらに怒り狂った。


「……あなたという方は、こんな事をなさるなら。わたくしは一日で千人の命を屠りますよ!」


「そなたが言うなら、私は。倍の千五百人の命を生み出そうぞ!」


「分かりました、わたくしはこれで戻ります。もうあなたに会う事はないでしょう」


 伊邪那美はそう告げると黄泉の国へと戻っていく。何とか、事なきを得た伊弉諾だった。


 黄泉比良坂から、さらに離れた所に来た彼は川を見つける。そちらに入り、伊弉諾はみそぎをした。この時に左目を洗うと太陽の神たる天照大御神が生まれる。右目からは月の神たる月読尊が、鼻からは建速須佐之男命たけはやのすさのおのみことが生まれた。

 この三柱の神は後に三貴子と呼ばれたという。伊弉諾は余生を淡路島にて過ごしたとか。

 ちなみに、淡路島は別名をオノコロ島と呼ばれている。日本列島で一番最初に生み出されたのがこの島だという事から、伊弉諾は余生の地に選んだのかもしれない。

 

 いかがだったろうか。長々と書いたが。それでは失礼する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

神話について 入江 涼子 @irie05

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画