【詩集】衣替えの時節
藤堂こゆ
無題
世界のどこかで何かが壊れる音がした。
それは地球の裏側かもしれないし
己の胸の中かもしれなかった。
すべてのベクトルがそこに向いて
壊れたものを蹴散らかす
見ずに。
坂の上から誰かが見下ろしている。
誰が壊したの? これを。
黙って指さす子どもたち
その頭上にはどこまでも広がる青空
2024.10.31
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