花咲先生に叱られたい
@Akanesasu-00
第1話
丸岡、鹿野side
ある日の教室。
「やばーい!!もう!こんな歌詞書きてー!」
「香田に影響されすぎ」
「てか、テスト勉強してる?」
「してへん」
「今日しようや」
「…」
「英単語くらいやっとこ?」
「終わったらカラオケ行く」
「終わったらね」
「company communication connect contact congratulation」
「多くない?cから始める単語だけで5ページって」
「来年から単語帳薄くなるらしいよ」
「まじ?このライオンちゃんの表情がかわいいのに」
「それ犬な」
「いやこの耳が鬣に見えなくもなくない?」
「勉強したくないからって話逸らすのなしね」
「もう覚えた」
「じゃあ、Cから始まる英単語5個、はいどうぞ」
「communication congratulation consensus costume crocodile」
「合ってるな・・・」
丸岡side
その日、家に帰って、Lionとcrocodiletとノートの隅に書いた。
曲のタイトルになりそう。
市田、鹿野side
市田の喋り方は甘ったるい。
「数学の田頭先生は、塩な感じがいいわぁ。笑顔がナマケモノみたいでぇ、かわいい!」
「鹿野はぁ、いいなーと思う先生おらんのー?」
「花咲先生かなあ」
「どこがいいん?」
「斜に構えた雰囲気とか」
「ほかには?」
「いい匂いがする」
「しかのぉ、嗅覚敏感なんやなあ」
市田はちょっとズレてる。
花咲先生には厨二病が、残ってる。
今の現代文の範囲は羅生門。
羅生門は好き。狂ってる感じが。
花咲先生が黒板に書く右上がりの文字を追っていると、突然、さかなが羅生門を飛び越えるイメージが浮かんだ。鹿野はピカソのごとく、インスピレーションを爆発させた。クラスメイト35人分の感想が書かれたノートは回収された。
花咲先生side
4組のノートは…。市田、「羅生門のお婆さんは、衣替えをしようという気概がないのか」市田の感性は独特だ。コメント、「読解力を上げるため、段落ごとにあらすじをまとめてみましょう」。鹿野。さかな、さかなさかなー…?思わず、口ずさんでしまった。鹿野が、心配だ。しかし、生徒の創造性を受け入れてやることが大切だ…。コメント、「羅生門に魚を登場させるアイデアは◎。作品の核を読み取りましょう。」
鹿野side
作品の・・・核?羅生門をもう一度、読み込もう。花咲先生を振り向かすため。
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