煙草
櫻井
第1話 君が嫌いな煙草
僕はベランダで隣に家の屋根を見ながら煙草を吸っている、君の事を考えながら、昨晩僕が家に帰ってきたら君は荷物をまとめて「お世話になりました」と言って出て行った、前の日に喧嘩をしたのげ原因なのはわかっている。原因は結婚をするかしないかだった、3年間付き合って僕たちは結婚を視野に入れていたが僕が結婚に躊躇した、僕と彼女は28歳で30歳手前には結婚をしたいと言っていたが僕は結婚というものに勇気がわかなくてつい「このままの関係じゃだめなのかな?」と言ってしまい彼女は泣いて「それなら私たちもう終わりにしましょう」と言っていたがそれが本気だとは思わなかった、僕には君が必要だったし、君には僕は必要だと勝手に思っていたから、君が家を出ていくなんてそんなことは考えてもいなかった。
外で煙草を吸っていると一通のLINEが君からくる。
【荷物が残っていたら実家に送っておいてください、私は実家には戻らないので実家に行っても意味はないです】と他人行儀の敬語のLINEが届く、僕は君の事が切らなわけではなくて結婚ということに勇気がわかないだけだという説明をしたかったが、君は僕の浮気まで疑ってきた、僕は君と付き合ったから浮気などしたこともなかったが「私と結婚できないということは他に女でもいるんでしょ」と言われ、僕はショックを受けた、君にそんな風に思われてると思わなった。僕の幼少期の家庭環境が複雑で家庭を作るのが怖いって話は何度もしていたが彼女は「私がそこを支えるから」と何度も言っていたのを思い出す。
一本目の煙草を吸い終わり近くあった缶コーヒーを飲む、君は煙草を嫌っていたのを思い出す、君と出会ったのは合コンだった、会ったその日に惹かれ合い一週間後から同棲をしていたが僕の家にきて一番最初に出た言葉は「タバコくさい」って言葉だった、僕は煙草を辞めようと思ったことはなかったが君が言うならやめようと思って一週間我慢したことはあったが、一週間後からは彼女のいないところで吸ってはファブリーズをかけて帰宅していたが、大の煙草嫌いの君は「なんで煙草を吸うの?」と僕に何度も聞いてきたが最終的には「ベランダでなら吸っていいよ」と君が折れてくれてベランダで吸うようになった、2時間に一回はベランダに行くが今度は君は「ベランダに行く回数多いよ」と言いだした、本数を減らせということなんだろうが僕にはそれが出来なかった、君の嫌いな煙草、二本目に火をつける。君がもう帰ってこないなら部屋の中で煙草を吸えるはずなのにどこかで君はかえって来ると僕は心の中で思っているが、もう本当にダメなのかもしれないと思っているところもある。
二本目の煙草が短くなるが吸い終わるのが惜しくなった、何故かこの煙草を吸い終わると本当に君が帰ってこないような気がしたが煙草はどんどん短くなりフィルターの方までになり持ってるのが熱くなり二本目を捨てた、三本目を吸えば君は戻ってくるのかとアホなことを考えたが寒くなって部屋に入った、君のいない部屋はいつもより広く感じたがもうこの部屋で二人になることはないんだと思って、部屋で三本目の煙草にひをつけた。
煙草 櫻井 @usamimi0923
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