第21話 冒険者ギルド
なんか、ぶっとい丸太をぶった斬ったら、騎士団長から、サクラ姫の護衛騎士と並行して、マール王国の騎士団にも席を置いてくれと勧誘されてしまった。
まあ、普通は、マール王国の騎士団に席を置きながら、王族の護衛騎士になるのは普通の事らしいのだが、俺の場合は、そういうのをとっぱらって、王様が、俺をサクラ姫の護衛騎士にしちゃったんだよね。
どうやら、俺って異例中の異例で、サクラ姫の護衛騎士になっちゃってたみたいで、それにより、他の騎士団の人から白い目で見られてたみたい。
だけれども、今日、俺の実力を見せつけた事により、白い目で見てた、俺の実力を疑ってた者達に、解らせる事が出来たみたい。
少なくとも、騎士団長と、アルフレッドさんは、俺の事を認めてくれているようだし。
なんか、俺が丸太をぶった斬った後、アルフレッドさんから、悪かったと、深々と頭を下げられちゃったし。
頭下げられたから、さん付けしちゃう。アルフレッドさんって、俺より年上だしね。
どうやら、アルフレッドさんって、真面目で曲がった事が大嫌いな人物であるようだ。
俺の事を物凄く敵視してたのも、俺が実力もないのに、不正をして、サクラ姫の護衛騎士になったと勘違いしてたみたい。
まあ、今日の午前中までは、剣を持てば剣豪になれる派生スキルを持ってなかったので、アルフレッドさんの見立ては、あながち間違っては居なかったのだけど。
実をいうと、アルフレッドさんは人を見る目もあったという事だ。
剣を持つ前は、立ち居振る舞いとか、本当に素人だと思ったと、言われちゃったし、
剣を持った瞬間に、突然、達人になったように見えたと言ってたし、ウン。それ正解!とは、流石に答えないけどね。
そんなこんなで、俺は、剣を持てば、達人になれると、騎士団長と騎士団のホープのアルフレッドさんに認められた訳で、即ち、強くなったので、王都の外に出て、冒険者稼業をやりたい衝動を抑えられなくなってしまったのである。
まあ、兎に角、王様に言っても、王都から出て冒険者になりたいと言っても認められないと思うので、俺は、今、俺に出来る事をするのだ!
そう、俺は、冒険者ギルドに行って、冒険者になる!
とは言っても、ただ、冒険者登録をしに行くだけだけど。
「サクラ姫! 今度は、冒険者ギルドに行くぞ!」
「エッ! 今度は冒険者ギルド?!」
サクラ姫も、アグレッシブ過ぎる俺の行動力にビックリしてる。
今日は、手相占いをして、貧民街に行って十一文字権蔵を手に入れて、騎士団で丸太をぶった斬って、騎士団長から騎士団に勧誘されて、それから冒険者ギルドまで行くの?て、なるよね。
だけど、これは本当に仕方が無い事なのだ。攻撃的なスキルを得られなくて、一度は完全に諦めてた冒険者になるという子供の頃からの夢が、突然、『握手』スキルの派生スキル。剣を持つと剣豪になれるスキルを得て、夢を叶えるチャンスを得てしまったのだ。
そりゃあ、動くなって方が無理がある。
俺はもう、自分の気持ちを抑える事など出来ないのだ。
もう、既に、サクラ姫を鍛える計画まで、頭に練ってるし。
サクラ姫も、俺同様に強くなってしまえば、俺と一緒に王都から出て、冒険してもいいという許可が王様から出るかもしれないし。
というか、絶対に王都から出る許可を勝ち取ってみせる。
その為には、サクラ姫も冒険者登録してもらって、冒険者ランクを上げて貰うしかないのである。
ん?王都から出なくて、冒険者ランクを上げれるのかって?
まあ、それはオイオイ説明するけど、答えはYES。冒険者ランクを上げるのは、色々抜け道があるのである。
そうこう妄想しながら歩いてるうちに、冒険者ギルドに到着してしまった。
冒険者ギルドは、王都の東門付近にある3階建ての石造りの立派な建物である。
カスタネット準男爵領の街にも冒険者ギルドは有ったけど、それとは比べられない程の大きさである。
興奮冷め止まぬ俺は、威風堂々と、冒険者ギルドの門を潜る。
「頼もう!」
冒険者ギルドの門というか、扉を潜ると、新参者の俺に対して、熟練冒険者が、値踏みするように俺を見てくる。
だが、
「おっ! お前、自由市場で、腕相撲してた奴!」
何度か、俺と腕相撲した事ある見知った顔が俺に気付く。
「アッ! アナタ、自由市場で手相占いしてる人じゃない?」
またまた、自由市場に、手相占いしに来ていた魔法使いのお姉さんに話し掛けられる。
どうやら、冒険者ギルドはアウェイでは無かったようだ。
しっかり、冒険者さんに腕相撲して負けといて良かった。もし、俺が勝ってたら、今頃、険悪な態度で睨まれてたかもしれないし。
「オイオイ! お前、何しに来たんだ?冒険者ギルドに、何か頼み事か?」
まあ、そう思うよね。
だって、俺、チビッ子のサクラ姫も連れて来てるし。
自由市場で商売してる俺が冒険者ギルドに来たら、何か、冒険者ギルドに頼み事をしに来たとしか思えないしね。
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