骸のロンド
SHIshi_OdoSHI
第1話-選ばれた者
何処だ、ここは。
…思い出せない。
確か僕は昨日、寝付けず夜食を買いにコンビニへ向かっていたハズだ。
いつもと同じ道を、いつもと同じように歩いて向かっていたハズだ。
ハズ?確証が無いと言うことか?
違う、ハズではない。確かだ。確信だ。海馬に残っている記憶…のハズなのだ。
違う違う違う。
あぁ、クソ何時ものだ。何時もの悪癖だ。思考が歪むんだ。自問自答が問題なんだ。僕が頭に何人もいるようだ。
それなら僕は本物なのか?
本物の千歳 稟機(チトセ リンキ)なのか?
合ってる。
合ってるはずだ。
合ってないとおか
…
最悪だ。またこれだ。
思考を巡らすと注意が散漫になる。
なんだ?分かった。転んだのだ。
転んだだけだ。ならば起き上がれば良いだけだ。
起き上がれば良いだけなのに、何故動けないんだ?
頭が痛い。打ったのか?
そうだな、そういうことか。
どういうことだ?
なんだかあたまがゆるくなってきたな
ああおわるのか
しぬ
のか
「…はじめて…あたまの…なかが…しずかだなぁ…」
◆
気が付くと、僕は虚空にいた。
前後左右も分からない。口では表現しきれない空間を漂っていた。
波を感じる。否、音かもしれないし色かもしれない。
全くの無音で聴覚が生きているのかも分からないのに、何故か音を聴いているのような感じがするし、目の感覚がないのにも関わらず、何かが見えている様な感覚がある。
腕や足には何かが触れている様な気がするのに、身体が動きそうな感じは無い。
言うなれば【異界】とでも表現できそうな、今まで生きてきた世界とは何かこう、次元が違うようなイメージが湧く。
ならば、何故僕はその様な場所に存在している?
それとも、この空間が所謂【天国】や【地獄】と言った、生命が死後訪れる場所とでも言うのだろうか。
そんな事を考えていると、ふと声が聞こえてきた。
「…順応せず、揺蕩い思案に耽る下等な羊の一匹よ。」
「この私は、貴様に希望を届けに来た。そしてこの私は、貴様に絶望を渡しにきた。」
「貴様は私が掌を下に開いたときに、落ちるコレを掌を上に向けて受ける必要がある。それは絶対的で、そこに余儀はなく、不可避の理である。」
「コレは貴様一人の為の片道切符であり、そしてルールから離脱した力である。」
「…貴様の様な者には大層相応しいモノだ。なんと幸せであろうか。悦べよ。」
「さて、最後に言葉を授けよう。最後に使命を授けよう。最後に呪いを授けよう。」
「この私が、貴様に望むことは一つ。」
「私の箱庭に、安寧を齎せ。」
◆
名/未設定
種族/エイジド・スケルトン
固有値/【Error】
称号/無し
スキル/打撃
話術
呪術【出力用】
創造【出力用】
サクリファイス【入力用】
悪食【入力用】
マリオネット【接続用】
思考汚染【接続用】
痛覚無効貫通【調整用】
E017【実行コマンド】
E666【実行コマンド】
* /提唱者(偽)
移植媒体【分類:WW】
◆エイジド・スケルトン
スケルトン種
危険度/F-
白骨死体に魂が宿り誕生したモンスター。
各地の墓地や、治安の悪い地域でよく見られる。
その中でも、骨の欠損や腐食が酷く脆いものをエイジド・スケルトンという。
冒険者でなくとも、注意してさえすればすぐに討伐の出来る危険度の少ないモンスターでもある。
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