Dragon

イクス

第1話

「俺は”異常者”だ。」


俺は、紋様がない。

紋様とは、自分の能力やオーラを具現化したようなもの。それがない俺は魔法が使えない。


「イクスー。やっぱり能力使えない。」


そんな俺にでも気軽に話しかけてくれるこの女の子は、幼馴染のリンだ。


「力の入れ方が違うとか?う~ん。分かんなー!」

「今日も一緒に『帝国防衛軍支部訓練第二部隊』のバクさんのところに行こ。」

「いいよ。」


帝国防衛軍は、この惑星、アルファ帝国をまもる部隊。その支部には、元隊長や元副隊長もいるし、自由に稽古をつけてもらえるので、俺たちはよく通っている。


「あら。こんにちは。イクスさん、リンさん。今日はどういったことをしたいのでしょうか。」

「リンの『空を飛ぶ』ができるようにしてほしい。」

「それでは紋様を出してください。」


紋様を持っている人たちは、自由に紋様を非表示にすることが出来る。


「鷹ですね。ダブリン!この子の面倒を見て」

「分かった。今行く。」


鷹の力の入れ方は、へその上らへんに力を入れ、オーラを身体全体に流すイメージ。


リンの紋様は”鷹”だ。紋様は全部で6種類ある。

一つ目はリンの紋様である「鷹」だ。特性は、空を飛ぶことだ。

二つ目は父、ラウスの紋様の「鬼」だ。特性は、馬鹿力。

三つ目は、身内にはいないが、「鮫」だ。特性は、水中で呼吸することだ。

四つ目も、身内にはいないが、「狼」だ。特性は、影に入り込めることだ。

五つ目は、俺の弟である、カウルの「獅子」だ。これといった特化特性はないが、足が速くなったり、力が強くなる。

六つ目は、「龍」。謎が多い紋様。龍は、伝説の勇者レイの紋様っで、とてつもなく珍しい。だが、最強クラスになると、ほとんどの人が龍紋だ。


「イクス!飛べた!飛べうわぁぁぁぁぁぁぁ⤵」ドン!

「イタタ。まだまだだな。」

「大丈夫ですか?今けがを吸い取りますね。」『夢吸支配 治療』


「ありがとうございます。」

「いえ。こちらこそ。私の夢吸支配は、吸い取るごとに質が良くなるので。」


「もう遅いから帰ろ。」

「うん。」

「また明日。」

「また明日。」

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