第2章 学生食堂にて

席さがし

      2




午前中の学生食堂は、所々に3、4人学生


が固まって、タバコをふかしたり、雑誌を読


んだり、小さな声で話をしている。


 東向きの大きな窓から、さらさらの光が降


り注いで、全体としては、ガランとした静か


な雰囲気だ。


 食堂のおばさんが食器を洗う音が、カシャ


カシャと聞こえてくる。




「何にしようか」


「オレ、日替わり定食」


「じゃ、みどり。八宝菜にしよ」


 千円札をさっと食券売りの機械に差し込ん


で2人分の食券をトレイに載せる。


「サンキュー。後で返すな」


「いつでもいいよ」


 裕次に並んでもらうことにして、みどりは


空いた席を探しに行くことにした。


 学食の中は白く長いテーブルが数列と、同


じく白く丸いテーブルが5、6個並んでいる。


 みどりは誰も座っていないテーブルの椅子


に水色の肩掛けカバンを置く。


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