SOAR~飛翔~

@busukou-ai

第1章 阪大坂

~SOAR~





大学のキャンパスへと続く、なだらかな長


い坂を上がって行く。周りは緑の木々が濃厚


に生い茂って葉の隙間からキラキラと木漏れ


日が海岸の無数の砂のように降り注いでいた。


 一瞬としてじっとしていない、百変化を見


せる透明感のある緑光がとても綺麗で、同時


に樹液のむっとする匂い、萌え出す木の芽の


エネルギーを全身で感じながら、私は元気に


キャンパスへと向かう。




 季節は5月


連休明けの登校日




 しばらく登校していなかったせいか目に映


る物すべてが白くヴェールが掛かったみたい


に新鮮に見える。


 最近、流行の銀のラメ入りの化粧品のよう


に、すべてがキラキラ反射してる。


 故郷の沖縄とは比べ物にならないけれど、


都会から少し離れた所にあるこのキャンパス


の自然もなかなか綺麗で捨てがたい。


 100メートル近く続くなだらかな坂を、


2/3ほど上がったところでいつものように


息が短く切れる。

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