和平交渉
先の戦争は二百十二
数多の惑星の大気が燃え上がり、海は真空へと蒸発し、生態系が灰と化し、都市は溶けたガラスの彫刻となった。
チューブを使った奇襲攻撃が日常的に行われる一方、亜光速で撃ち出される小惑星級質量弾がお互いの拠点へ降り注いだ。偏向させたブラックホールのX線バーストが恒星を破裂させた。膨大な数の命が記録もされぬままに潰えた。
双方が疲れきっていた。
人類の大使とインセクトイドの大使が、厳重に警備された星系、念入りにシールドされた惑星で握手を交わした。
彼らは交渉の席に着くと、まず贈答品を交換することになっていた。
人類は相手の贈り物を見て顔をほころばせた。インセクトイドは相手の贈り物を見て激怒し、二度とこんな場所に呼ぶなと宣言した。
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