第49話

「川瀬に聞いたんだろ?全部。」


「…北斗は何も言わなかったけど、何となくわかった。」


「…何が?」


「渋谷くんが、わたしを好きじゃないこと。」






ズズズ…。


渋谷くんがストローを啜る音が聞こえる。


カラン、とわたしのグラスの氷が音をたてた。





「うん、そう。俺は香夏を好きじゃない。」


「…なら、別れよ。」


「いいよ。」






あっさりそう返事をすると、渋谷くんは何事もなかったかのように、またキーボードをタイピングし始めた。


カタカタ…


カタカタ…






「ねえ。」


「ん?」


「どうしてわたしと付き合ったの?」





カタ…

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