第39話
「ま、北斗には俺の気持ちなんか一生理解出来ないだろうな。」
すると突然、拓海がまさに俺が今拓海に対して思っていたことを言い出した。
頬杖をついたまま目だけ妙な方向に向け、ふてくされているとも悲しげともとれる表情をして。
「どーゆう意味だよ、それ。」
俺がそう言ったところで、衝立を挟んだ向こう側の席から「凌(りょう)ってほんと、悪い男だよね~。」という妙に甲高い女の声が聞こえた。
「本命は他にいるんでしょ?その人忘れるために、違う女と付き合うなんてさ。」
でっけえ声。
聞きたくなくても、自然に耳に入るからうっとうしい。
「どこにも、似たような奴がいるんだな。」
拓海が、皮肉じみた笑みを浮かべる。
だけど次の瞬間、俺はその声を聞いて時が止まったみたいに動けなくなった。
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