プロローグ

第1話

茂みから出ていたのは、爪先に赤いネイルの光る足だった。



白いかかとを大きなクモが優雅に歩いている。



「拓斗…、あれ…」



恐る恐る声を出しつつ、立ち上がる。



「結衣・・・か? 」



同じく横たわる足首に気づいた拓斗が、眉をしかめながら茂みを掻き分けた。



そして、私も拓斗も身を凍り付かせた。

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