第6話
男は尚もじっと俺を見ていたが、やがて「名前は?」と聞いて来た。
「…シュウイチ」
「シュウイチ?日本人か?」
「…ああ」
「歳は?」
「15」
「15?イェンより7つも下じゃねえか」
男は少しだけ俺から体を退けると、上から下まで舐めるように見始めた。
まるで、品定めでもされているみたいで気分が悪い。
殺るならさっさと殺れと、思わず言いたくなった。
眉を寄せて日焼けした奴の小麦色の顔を眺めていると、ふとまた目が合った。
すると突然、奴はゲラゲラと笑い出した。
それには、周りの男達も若干驚いていた。
「気に入ったぜ、シュウイチ。てめえみてえなガキを探してたんだ」
男はそう言うと、腕を伸ばし俺の肩を抱いて来た。
「その歳でそんな目が出来りゃ上等だ。おまけに、女の扱い方だって分かっている。それに日本人だって?完璧じゃねえか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます