第6話

男は尚もじっと俺を見ていたが、やがて「名前は?」と聞いて来た。






「…シュウイチ」


「シュウイチ?日本人か?」


「…ああ」


「歳は?」


「15」


「15?イェンより7つも下じゃねえか」






男は少しだけ俺から体を退けると、上から下まで舐めるように見始めた。


まるで、品定めでもされているみたいで気分が悪い。


殺るならさっさと殺れと、思わず言いたくなった。






眉を寄せて日焼けした奴の小麦色の顔を眺めていると、ふとまた目が合った。


すると突然、奴はゲラゲラと笑い出した。


それには、周りの男達も若干驚いていた。







「気に入ったぜ、シュウイチ。てめえみてえなガキを探してたんだ」


男はそう言うと、腕を伸ばし俺の肩を抱いて来た。


「その歳でそんな目が出来りゃ上等だ。おまけに、女の扱い方だって分かっている。それに日本人だって?完璧じゃねえか」

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