第13話

―――『いつか、必ず迎えに来るから』









宵闇を吸い込んだかのような漆黒の瞳。


血にまみれた頬。


燃え盛る炎の渦。







ヨウが、リュウのことを思い出さない日はなかった。


夜露がすすり泣くような、最後の微笑みも。


場違いなほどしなやかに走り去る足音さえも、克明に記憶している。


そして、思い出す度に胸の奥が苦しくなり、心が渇いたようになるのだ。










今にして思えば、あれがヨウの初恋だったのだと思う。


だから、こんな状況に追い込まれなおいっそう、リュウのことを考えてしまうのだろう。

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