第27話

「今度はきっと、僕らの家の傍でライブやってくれるよ」


相変わらずスナック菓子をポリポリやりながら、サトシがそう言った。


サトシの声に坂下さんは、うん、とまた照れたように頷いた。







「わたしね、前からずっと言いたかったんだけど……」


顔を赤らめたまま、坂下さんは俺ともサトシとも目を合わせずに、俯き加減に呟いた。


「杉山くんの髪型、すごくかっこいいって思ってたの。それにね、新島くんがいつも読んでる妖怪漫画、実は大好きなんだ」







「マジで!?」


「え、そうなの?」


俺とサトシの驚いた声が、ぴったりと重なった。


坂下さんはまた上目遣いに順々に俺とサトシを見てから、こくりと小さく首を縦に振った。


その小動物のようなたまらなく可愛らしい仕草に、俺の胸ははち切れんばかりにヒートアップする。


サトシも照れてるのか、ゴホンゴホン、とわざとらしい咳払いをしていた。

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