第15話

ライブ開始の30分前になって、俺達は体育館へと移動した。


去り際にお姉さんにチラリと目を向けると、お姉さんはにっこりと笑って手を振ってくれた。






体育館の中は、既に人でごった返していた。


人々の間を潜り抜け、俺達はどうにかして真ん中よりも少し後ろの辺りに行くことが出来た。


11月なのに、体育館内はもう既に蒸し暑い。


振り返れば一番後ろに脚立を並べ、カメラや機材を持った人まで待機してる。


きっと、テレビか雑誌の取材だろう。






「マカオンって、どんな人達かな」


しばらく経った頃、隣にいるサトシが新幹線の中で坂下さんが俺にしたのと同じ質問を、今更のようにして来た。


「さあ。あと少しすればわかるよ」


「取り敢えず、かっこいいんだろうな」


ポツリ、サトシが呟いた。

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