第13話

サトシと坂下さんの会話に全くついて行けない俺は、ふてくされつつ辺りをキョロキョロと見渡した。


どこからか、焼きそばの匂いが漂ってくる。そういや、腹減ったなあ。


「ライブ始まるまでにまだ時間があるから、何か食べないかい?」


突然そんな発言をしたサトシも、間違いなく焼きそばの匂いにつられたんだろう。






パンフレットを手に出店が賑わうグラウンド内をうろうろしていた俺達は、ライブのある体育館の位置を確認してから、適当なお店でご飯を食べることにした。


食券売り場でサトシは、から揚げ3枚と焼きそば3枚分を買ってた。どんだけ食うつもりだろう。


テント内の座席はどれも一杯で、俺達は見知らぬ人達と相席をすることになった。


食券の多さに恥ずかしくなりながらウェイトレスのお姉さんに渡せば、お姉さんは嫌がることもなくにっこりと優しく微笑んでくれた。

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