第4話

頭らしき傷の男はテイには構う様子もなく、父親を長屋の外に連れ出そうとしている。



だがふと手を止め、暗闇の中でじたばたと抑え込まれているテイを見た。



三人の男が、テイの顔に、胸に、下半身にむしゃぶりついている状態である。








「お前ら、やめろ」



ふと、傷の男が言った。



物静かだが威圧感のある物言いに、テイの体に群がっていた男たちは順々に顔を上げる。



傷の男はテイに近づくと、その顔を、体をしげしげと眺めまわした。



「へえ。こりゃよく見りゃ相当な上玉じゃねえか。とんびが鷹を産むってのは、よく言ったもんだ。なあ? 船頭の親父さんよぉ」



そして脇に抱えたままの痩せ細ったテイの父親に、激しい肘鉄を食らわした。



うう……、とテイの父親は今にも死にそうなうめき声を上げた。

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